俳優・星野真里さん(44)が夏の恒例番組「24時間テレビ49 ―愛は地球を救う―」(日本テレビ系)のチャリティーランナーに選出された。
星野真里さん「子供たちの可能性が少しでも広がるのであれば」
星野さんの長女は、国指定の難病を患っているという。生まれながらに筋組織の形態に問題があり、そのため生後間もなく、あるいは幼少期から「筋力が弱い」「体が柔らかい」などの筋力低下に関わる症状を認める病気で、2歳のときに診断が確定した。
現在は、電動車いすと人工呼吸器を使いながら日々の生活を送っている。星野さんは夫で元アナウンサーの高野貴裕さんと協力して福祉制度をくまなく調べ、自ら社会福祉士の資格も取得。会見では「私の願いは、全ての子供たちが居場所を決められてしまうのではなく、自分たちでご家族でその居場所を選ぶことができるようになればいいなと思っています」「子供たちの可能性が少しでも広がるのであれば」と走る理由を語った。
かつてのチャリティーランナーは、イモトアヤコさん(2009年)、DAIGOさん(2015年)、林家たい平さん(2016年)、ブルゾンちえみさん(2017年)、みやぞんさん(2018年)、兼近大樹さん(2022年)、ヒロミさん(2023年)など、さまざまなタレントが起用されてきた。走る理由は後付け的に添えられることが多く、チャリティーとの必然的な結びつきが問われることもなかった。
「走る必然性」を前面に打ち出す人選が続く
ところが2023年、系列局・日本海テレビの元幹部社員による募金着服問題が発覚し、番組への批判が一気に噴出。以降、制作側の姿勢は明らかに変わった。2024年は児童養護施設出身のやす子さん、2025年は弟が施設で育ったSUPER EIGHTの横山裕さん、そして今年は難病の娘を持つ星野真里さんと、「走る必然性」を前面に打ち出す人選が続いている。
ただ、批判をかわす手法こそ変わったものの、感動の物語でチャリティーへの疑念を塗り替える構造は何も変わっていない。むしろ今後は、つらい生い立ちや家族の苦難を抱えた芸能人を毎年探し続けることが既定路線となりかねない。チャリティーの看板を守るために当事者の痛みを利用し続けるとすれば、それは本来の意義とはかけ離れた、本末転倒な番組存続術と言わざるを得ない。
一方、星野さん個人への批判は少なく、難病の子を持つ母として社会の壁と向き合い続けてきた姿勢には共感が集まっている印象だ。だが、その純粋な動機が「批判かわしの材料」として制作スタッフに消費されている一面を忘れてはいけない。視聴者は温かい眼差しと、冷静な目で、8月29日から30日を見続ける必要がある。
(川瀬孝雄)