国会終盤でようやく実現した与野党の党首討論だが、2026年7月19日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)は党首討論にみられた高市政権の政治姿勢をとりあげ、モデルとなったイギリス議会に比べて不十分だとの声が強かった。
「60分6本勝負」では議論は深まらない
番組は野党の多党化により、高市首相と野党6党首の討論を「60分で6本勝負」と表現した。首相の政治姿勢、経済政策、中傷動画問題などテーマは少なくないがどれも消化不良に終わった。
党首討論のモデルになったイギリスでは毎週水曜日に行われるのに対し、日本は2014年に月1回の開催を与野党で申し合わせたが、今年は2回しか行われていない。司会の膳場貴子さんは「党首討論を通じて国民に見えてくる課題もあるし、深まる議論というのもあると思う」と話す。
ビジネスと人権研究所代表理事の谷口真由美さんは「イギリスの議会をモデルにしたという割にはモデルにしていないところがたくさんある。(イギリスは)公開の場で野党が問い詰める仕組みで、事前通告なしで質問するのでアドリブでみんなやるが、日本の場合は事前通告があるから原稿を読んでいる。事前にそんなことしたものを我々は聞きたくないねんという感じ。そこで引き出されるものを聞きたい。モデルにしたはずの制度には権力チェックの意味もあるが、権力チェックになっていない。野党が多くなったから時間が少ないのではなく、毎週やれば時間は確保できるのに、そういうのも踏まえると、ちょっとおごりが見えるかな」と話す。
畠山澄子さん「国会がやるべきことは、議論を尽くすこと」
ピースボート共同代表の畠山澄子さんは「国会軽視の声に対して首相は『求められたら(委員会に)出ている』と言っているが、参議院の予算委員会そのものも会期末になってやっと開かれている。中傷動画の疑惑をめぐっても首相自ら6月22日に陳述書を出すといってもう1か月経つがまだ出ていない。国会がやるべきことは予算の議決とか法律の制定だけでなく議論を尽くすことだと思う。首相自身が重要視する法案に関しては審議を強行するのはフェアじゃない」と批判した。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)