羽田空港第1旅客ターミナルに新設された「北側サテライト」が2026年8月25日、報道陣に公開された。乗客向けの使用が始まるのは9月1日で、日本航空(JAL)やスカイマークなどが国内線で利用する。飛行機までバスで移動する必要がなくなり、搭乗はより「シームレス」(継ぎ目がなくなる)になる一方、保安検査場から最も遠い場所までは1キロを超え、徒歩で最大16分かかる。航空会社は手続きの締め切りを厳格化し、利用客に時間の余裕を持つよう求める。バス使わずに直接飛行機に乗り込める北側サテライトは、第1ターミナルが1993年9月に開業して以来、初めてとなる大規模な増築だ。地上3階建てで、建築面積は約1万1000平方メートル、延べ床面積は約2万1000平方メートル。24~29番の6つの搭乗口を備える。1階は鉄骨造、2階以上には木造を取りいれたハイブリッド構造で、こうした構造は羽田空港では初めてだ。北側サテライトは第1ターミナル本館と約200メートルの連絡通路でつながる。通路には往復合わせて10基の動く歩道が設けられ、木製の柱や梁が連なる。記者が施設に足を踏み入れると、木材の心地よい香りが漂っていた。これまで「沖止め」の駐機場を利用する便では、搭乗口からバスに乗って飛行機まで移動する必要があったが、利用客は建物から直接、機内に乗り込めるようになる。ただ、搭乗口までの距離は長い。JALによると、E保安検査場から北側サテライトの端までは1068メートルで、徒歩約16分。最も近いF保安検査場からでも968メートル、約15分かかる。さらに、サテライト先端の29番スポットでは、ボーディングブリッジそのものが、国内で最も長い約100メートルある。F保安検査場から端まで実際に歩いてみると、11分40秒ほど。動く歩道を使った分、若干短縮されたようだ。JALは「新しい環境においても、定時性の確保を徹底」航空会社としては、長くなる移動時間が便の遅れにつながることを警戒している。JALの斉藤久美子・執行役員東京空港支店長は、北側サテライトの利点と課題を次のように指摘した。「バスにて機側(きそく)までお越しいただくことになっていた駐機スポットの利用が減少し、これまでに比べてシームレスな移動が実現する。一方で、保安検査場からの移動距離は従来より伸びるという側面もある。私たちはこの新しい環境においても、定時性の確保を徹底していく」具体的には、羽田発のJALグループ便の場合、手荷物預かりの締め切りを、出発時刻の「30分前(目安)」から「30分前(締切)」に厳格化する。長い移動の負担を和らげるため、北側サテライトでは、動く歩道に加えて4人乗りの自動走行モビリティ「iino」を無料で運行する。人の流れに合わせて最高時速7キロで走り、予約なしで利用できる。自動運転車いす「WHILL」の運用範囲も北側サテライトまで広げる。国立競技場に匹敵する約1800立方メートルの木材施設のもうひとつの特徴が、鉄骨と木造を組み合わせたハイブリッド構造だ。1階を鉄骨造、2階以上を木造とし、カラマツ、スギ、ナラ、カバザクラなどを使った。使用した木材は約1800立方メートルで、樹木約1万本分に相当する。日本空港ビルデングの炭本悟・上席常務執行役員は、約2000立方メートルを使った国立競技場に「ほぼ匹敵する量」だと説明した。木材の利用によって建設時の二酸化炭素(CO2)排出量を約1600トン削減したという。26番搭乗口付近には、カフェを併設したカードラウンジ「FORESTLOUNGE」も開業する。座席数は22席で、通常料金は1320円。カードラウンジを利用しない人も、ドリンクやスイーツをテイクアウトできる。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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