東京都港区で恒例の「麻布十番納涼まつり」で、屋台の「冷やし蟹ラーメン」を食べた人たちに食中毒が発生した疑いがあるとして、同区のみなと保健所が出店元を立ち入り検査している。
店側は、前日に700食が余ったとXで投稿しており、保健所では、確認が取れていないものの、使い回しされた可能性が高いと取材に明らかにした。一方、店側は、「まだ原因は分かっていません」と公式Xで説明している。
「祭りが雨で中止になり、700食余ってしまった」
麻布十番納涼まつりは、2026年8月22、23日の土日に行われた。冷やし蟹ラーメンは、23年にオープンした日本料理店「割烹こめを」が店の前のテントで2000円で販売した。
ところが、26日ごろからX上などで、このラーメンを食べて体調が悪くなったとの投稿が相次ぎ、拡散して大きな騒ぎになった。
店は、格闘技イベント「Breaking Down」への出場で知られ、「世界で闘う料理人」を自称するこめおさん(31)が統括料理長をしている。騒ぎを受けて、こめおさんは27日、自らのXで釈明する投稿を行った。
そこでは、「まだ原因は分かっていません」としたうえで、「現在、保健所、麻布十番組合との調査は進めております」と説明した。保健所の調査結果が出るまでの1、2週間は、店の営業を自粛すると発表し、「ご心配、ご迷惑をおかけしておりまして、大変申し訳ありません」と謝罪した。
納涼まつりを主催した麻布十番商店街振興組合も同日、公式サイトにお詫びを出した。「ご来場のお客様の中に、食中毒と思われる症状を訴える方が複数いらっしゃったとの報告を受けております」として、「現在、みなと保健所による調査が進められており、当組合も全面的に協力して参ります」と明かして謝罪した。
食中毒だとするとその原因については、こめおさんが22日、「麻布十番祭りが雨で中止になり、700食余ってしまった」とXで漏らしていたことから、700食分を使い回したからではないかとの指摘も相次いでいる。
「衛生環境を保てば、食中毒にならなかった」
麻布十番納涼まつりで体調不良の訴えが相次いだことについて、みなと保健所の生活衛生課は8月28日、最初に通報が入った26日は5グループ6人だったが、28日正午過ぎ現在は、50グループ76人まで拡大したとJ-CASTニュースの取材に明かした。
「多くの方が蟹ラーメンを食べたとお話しになっています。下痢や嘔吐、発熱の症状が出て、病院で受診した方もおられますが、重篤な症状は聞いていません。ただ、まだ体調不良を訴えておられる方が多くいます」
ほとんどが23日に蟹ラーメンを食べたといい、保健所では、食べた人たちに検便協力を依頼している。
蟹ラーメンを提供した「割烹こめを」にも、立ち入り検査に入った。トイレや流し台などの拭き取りを行い、残った食材を回収したり店員の検便を行ったりした。食中毒の疑いがあるとみて、検査機関に分析を依頼している。患者の検便を行った病院へも問い合わせており、早ければ31日にも結果が判明するのではないかという。
保健所の調べでは、店は、22日に約40食、23日に約500食を販売した。店側が22日に700食が余ったと投稿していたが、この点については、こんな見方を示した。
「700食の使い回しについては、確認が取れていません。ただ、ウイルスが増殖していますので、使い回した可能性が高いと思います。また、冷蔵・冷凍庫に入れ、翌日に火を通すなど衛生環境を保てば、食中毒にならなかったでしょう。冷蔵庫などに入り切らなければ、廃棄処分になります」
店からは、出店届は出されていたといい、22日に保健所の職員が立ち入ったときは問題が見られなかったという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)