東京・神田明神納涼祭りの中で受注を始めた18組のVTuberとの「コラボ日本酒」について、新潟県長岡市内の蔵元から無断で販売されたと指摘され、受注受け付けを停止する騒ぎになっている。
この酒を企画したさいたま市内の個人事業主は、「事実関係を整理している」として、近く見解を運営サイト上で発表すると取材に明らかにした。一体どういうことになっているのだろうか。
「一切関係のない会社が、無断で弊社製造を語った商品を販売」
この酒は、事業主が運営する「絶品グルメ屋台の会」が2026年7月24日、祭りの中で行うフードイベントの中で受注販売するとプレスリリースで発表した。
コラボ酒は、VTuberの限定ラベルを貼るとの内容で、前夜祭が行われる8月6日から現地で受注を受け付けるとあった。価格は、720ミリリットルで税込み3800円。販売は、さいたま市内の「ライスショップきよみや」が行うとなっていた。
その後、8月5日になって、新たなプレスリリースが出され、コラボ酒の具体的な内容が明らかにされた。
それによると、新潟の蔵元を応援するとして、屋台の会が18組のVTuberとのコラボラベルを貼った清酒をプロデュースして、10月6日までの期間限定で受注販売する。そして、商品は、長岡市内の諸橋酒造が製造と明記された。
これに対し、諸橋酒造は8月18日、公式サイトに「重要なお知らせ」を出し、「一切関係のない会社が、無断で弊社製造を語った商品を販売している」として、コラボ酒のことを挙げた。
一方、商品をプロデュースした絶品グルメ屋台の会は同28日、公式Xを更新し、「本企画につきまして、一部確認を要する事項が生じたため、関係各所への確認および事実関係の整理を進めております」と説明した。そして、「確認が完了するまでの間、オンラインショップでの新規受注受付を一時停止」し、発送前の注文商品は状況を踏まえて案内することを明らかにした。
一方、諸橋酒造は9月3日、「一切許諾したことはなく、今後も許諾する意向はございません」などとして、「弁護士に依頼し対応中」だと明かした。
企画事業主「事実関係を整理しており、近く見解を発表」
販売を手がけるライスショップきよみやも、コラボ酒についてのお知らせを公式サイトで出した。そこでは、「諸事情により」、新規受注を一旦停止するとしている。注文を受けた商品については、「今後の対応を整理のうえ、対象のお客様へ改めてご案内いたします」とした。
コラボ酒を巡る経緯が9月5日ごろになって、X上で取り上げられ、一体どんなことになっているのかと関心を集めた。
こうした動きを受けて、神田明神納涼祭りの公式Xなどでは6日、コラボ酒についての声明を出した。
そこでは、確認・許可した範囲は、神田神社境内のPRや祭りの名称・ロゴなどの使用に限られているとしたうえで、商品の企画などや酒造会社との契約、商品化の許諾には、「神田明神納涼祭りおよび神田明神は関与しておりません」と明確にした。
これに対し、絶品グルメ屋台の会は6日、「現在、関係各所への確認及び対応を進めております。オンラインショップでの新規受注受付は、8月22日をもって停止しており、商品の発送は行っておりません」と公式Xで改めてアナウンスした。
屋台の会を運営する事業主の男性は9月8日、J-CASTニュースの取材に対し、次のようにコメントした。
「現在は、確認を進めている段階で、事実関係を整理しています。11日までには、公式サイトで見解を発表する予定です」
諸橋酒造の代理人弁護士は同日、取材に対し、8月5日にコラボ酒の製造元が発表されるまで屋台の会から何もコンタクトがなかったと説明した。
「当社では何も把握しておらず、コラボ酒について新聞社の取材があって、初めて事実関係を知りました。8月21日に、代理人として、販売中止を求めて文書で申し入れをしました。その後、連絡がありましたが、十分な回答ではありませんでしたので、再度やり取りしています」
コラボ酒の受注を許諾なく始めた理由については、それらしきことが回答に書かれていたというが、「交渉中ですので、内容については差し控えさせて下さい」と話した。コラボ酒については、「許容できるものではありませんので、お止めいただきたいと考えています」としている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)