「次で最後でお願いします」「おまとめをお願いします」たびたび記者とのやりとりが注目を集めてきた斎藤元彦兵庫県知事の定例記者会見。2026年9月9日の会見では、終了間際、フリーランス記者からの質問に、斎藤知事がこのように繰り返し、最終的には「以上です」と述べ、退出する一幕があった。「ダブルスタンダードになっているんじゃないですか」この日、質疑応答では、告発文書問題や前知事時代の不適切な会計処理を巡る質問がなされていた。斎藤知事は、8月、総務省に公債費負担適正化計画を提出した際、政務官から、用地先行取得のための地方債である「用先債」を巡る事案は「不適切な事案」であり、「再発防止をしっかりやっていくということが大事」という趣旨の発言があったと説明した。県では財務検証部会を設置し、関係者へのヒアリングを含め当時の意思決定過程など検証を進める方針だ。斎藤知事は、総務省から地財法違反と指摘されていることを踏まえ、「再発を防止していくということが大事」と述べた。これに対し、記者は告発文書問題を巡り、第三者委員会が公益通報者保護法違反を認定したことを挙げて、「違法性が疑われる行政判断について、外部の専門家が、その検証なり是正を提言するという意味で言うと、告発文書問題というのも全く同じ構図」「財政問題の用先債の件と、公益通報者保護法違反の取り扱いがまるで二重基準になっている、ダブルスタンダードになっているんじゃないですか」と指摘した。斎藤知事は、「文書問題については、適切に対応させていただいております。用先債の問題については、地財法違反が指摘されている事案ですので、しっかり再発防止策と原因の究明をしていく」と答えた。さらに、記者は、「地財法違反の疑いがあるということと、公益通報者保護法違反ですと、第三者委員会で明確に認定された重みが全く違うと思う。先ほどからおっしゃっている再発防止とガバナンスの強化、ガバナンス強化がまさに大事なんじゃないですか」と語った。斎藤知事は、「文書問題は適切に対応している」とした上で、用先債については「地財法違反が指摘されていますし、マーケットに対する影響もありますから、しっかり再発防止策、そのための原因究明をしていくということは大変大事なことだ」と繰り返した。「あなたが言うような立場じゃない」その後も記者から質問が続いた。記者が「全く何の説明もいただいてないんですけども、最後にしますが」と切り出すと、斎藤知事は「そろそろおまとめをお願いします」と発言。記者は、「まとめとか、別にあなたが言うような立場じゃないと思いますので、それはもうやめてください」と話した。斎藤知事が、「1時間過ぎておりますし、次で最後でお願いします」と重ねると、記者は質問を続けた。前知事や当時の関係者へのヒアリングで「当時は違法性の認識がなく判断としては適正、適切だった」との回答があった場合にどうするのか、と尋ねた。斎藤知事は、組織としての意思決定過程を確認することが重要だとした上で、「総務省からも不適切だと言われている以上、きちんと再発防止をしていく過程として、検証していく、その過程としてヒアリングを関係者からしていくということが大事だと思う」と答えた。記者がさらに質問を続けようとすると、斎藤知事は質問を遮るかたちで、再び、「おまとめ、お願いします」と求めた。記者は、「余計なこと言わないでください」と返した。記者「それ、まだ知らないんですか」知事「以上です」記者は、告発文書問題を巡って、国側から県の対応について、通報者探索は不適切、体制整備義務は3号通報にも含まれるといった見解が示されていると指摘。その上で、知事が告発文書問題については「適正、適切だった」とする一方、用先債の問題では原因究明や再発防止を進めることについて、「そこの整合性はどういう風に捉えているのか、と聞いている。最後ちゃんとお答えください」と迫った。斎藤知事は、「先ほど来お答えしている通りですね」と回答。記者が「全くお答えになっていない」と返すと、「消費者庁がどういう見解をしているかというのは、ちょっと確認させていただきます」と述べた。記者は、「それ、まだ知らないんですか。まだ読んでないですか」と質問を続けたが、斎藤知事は、「以上です。はい、よろしくお願いします。ありがとうございます」と述べ、記者から「まだ終わってないですよ」と問い掛けがある中、会見場を後にした。「最側近」元副知事が県議補選に出馬へ翌週の9月16日の会見では、斎藤知事の最側近の副知事を務めた片山安孝氏が、10月に投開票される県議補選に出馬の意向を示していることに質問が出た。知事は、「私自身は何かコメントを現時点でさせていただくということは控えたい」と話した。一方で、「ぜひ斎藤県政の進める政策、若者のZ世代応援施策や今後の財政改革、そういったところをしっかりご理解そしてご協力いただいていただけるということを期待したい」と述べた。片山氏は、副知事を辞職する意向を示した際、報道陣に対して、「知事を支えられなかったことに自責の念がある」と涙ぐんだ様子が当時話題となった。出馬について、片山氏は各メディアからの取材に、「斎藤知事の県政改革の取り組みを支援していきたい」と述べているという。
記事に戻る