鉄道の全線復旧まで、3か月――。2026年9月下旬の台風25号で土砂崩れが多数発生した千葉県のJR内房線は、木更津―姉ヶ崎間で長期間のストップがアナウンスされた。東京方面を往復する通勤客や、通学を鉄道に頼る子どもたちにとって大いに不便だ。さらに千葉県内では、10月に入っても停電が続く地域がいくつもある。台風から半月が過ぎても、日常生活に暗い影を落としている。船橋→東京→アクアライン経由で木更津へ10月4日。JR木更津駅の改札前には、代行バスの情報や、鉄道の運行計画が掲示されていた。利用客とみられる人たちがスマートフォンで写真を撮っている。不通区間のうち木更津―長浦間は10月5日から、朝夕時間帯に通常の2~3割程度、それ以外は1時間に2本程度、列車を走らせるという。長浦―姉ヶ崎間は代行バスで繋ぐ。「3か月」という当初発表からは大きな前進だが、完全復旧までには遠く、「1時間に2本だけか...」というため息交じりの声が聞こえてきた。代行バスも、JR東日本が、「鉄道と比べて輸送力が大幅に少ない(1~2割程度)ため、ご乗車までに長時間お待ちいただくことが予想されます」「代行バスは、列車よりも所要時間が大幅にかかります」と説明している。通常通りとはいかない。木更津市在住の女性は取材に、同僚が船橋市から通勤しているが、内房線の不通の影響を受けたと明かす。同僚は、船橋からいったん東京まで出て、バスに乗って東京アクアライン経由で職場のある木更津に来ているとのこと。時間を大幅にロスし、出費もかさむが、これしか方法がないようだ。今も通行止めが解除されていない区間千葉県では道路の被害も相次いだ。国土交通省の9月22日9時時点の発表によれば、被災による通行止めが高速道路で4路線17区間、直轄国道が2路線3区間に及んだ。県道では、のり面崩落や路面冠水で16区間が通行止めとなった。10月5日時点での被災による通行止めは、直轄国道で1路線1区間、県道は44区間となっている。木更津市から君津市にかけて、土砂崩れが確認された道路を10月4日に走った。君津市内の国道127号線で9月21日以降、のり面崩落により館山方面へ向かう車線の一部に通行規制が敷かれていた。9月27日に現地を通った女性が撮影した写真には、その様子が写っている。「この道路は通常でも比較的交通量が多いので、車線が規制されて混雑がよりひどくなりました」同じ場所を記者が訪れると、規制は解除され、崩落した場所は巨大なブルーシートで養生されていた。君津市坂田でも、台風25号による土砂崩れが発生した。ここは10月4日時点でも通行止めが続いていた。路上に、倒木や土が今も残る。近くのパチンコ店では、従業員が日曜返上で駐車場の清掃に追われていた。ショッピングモールの駐車場に多数の電力会社車両台風による被害で、生活に直結するひとつが停電だ。10月6日正午時点で、千葉県内では市原市の約140軒を筆頭に、約510軒で停電がいまだ解消されていない。なおピーク時には5万8760軒に達した(東京電力パワーグリッド、9月22日0時時点)。取材した木更津市も、約90軒で今も停電が続いている。市内にある「イオンモール木更津」の駐車場には、東京電力から派遣された多数の作業用車両が停車し、職員とみられる人たちがテントを構えて業務に取り組む姿が見られた。イオンと東京電力は2019年、「災害時における相互支援に関する協定」を締結。これに基づいてイオンは今回、復旧拠点スペースを提供したようだ。10月4日に取材した際は、作業車の多くが出払っていたようだが、それでも待機している高所作業車や電源車とみられる車両が目に入った。2026年は台風の「当たり年」となり、10月に入ってもその数は減らない。被災した千葉県は、まだまだ油断が出来ない日々が続く。(J-CASTニュース荻 仁)
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