フジ・メディア・ホールディングス(HD、FMH)が子会社「サンケイビル」の売却を進め、外資系投資ファンド数社に絞られたと、ロイターや週刊文春がウェブ版記事で報じている。この子会社は、様々な不動産事業を展開しているが、その中に、東京都心の超一等地にある「東京サンケイビル」(千代田区大手町)も含まれている。元々は、国有地の払い下げを受けた経緯があるため、ネット上では、外資に売ることを疑問視する声が相次いでいる。外資系投資ファンド4社が最終入札の準備かロイターの2026年10月6日付記事によると、サンケイビルについて、外資系投資ファンド4社が最終入札の準備を進めている。その取引額は、国内最大級となる1兆円規模に達する可能性があるという。フジは、4社の提案を精査して優先交渉先を選び、株主の承認を求める見通しだとしている。また、週刊文春も翌7日付記事で、外資系投資ファンドによる「1兆円争奪戦」が繰り広げられていると報じた。8月に4、5社が第一次入札を通過し、最高値は、1兆4000~5000億円に上るとの情報もあったという。サンケイビルは、大手町と大阪・梅田に高層ビルを所有するほか、オフィスやホテル、鴨川シーワールド(千葉県)などのリゾート施設も運営している。特に、東京サンケイビルは、オフィスや店舗、ホールなどがある31階建ての高層ビルで、大手町エリアのランドマークとして認知されている。フジ・メディア・ホールディングスは26年2月3日、フジテレビなどのメディア・コンテンツ事業の拡大を図ることなどを目的に、サンケイビルも含む都市開発・観光事業に対して、外部資本を導入する検討を始めたと公式サイトで発表した。そこでは、同事業の完全な売却も排除するものではないとはしていた。その背景について、「物言う株主」として知られる旧村上ファンド系の投資会社からサンケイビルなどを売却するよう求められ、フジが防衛策として、大規模な自社株買いを行うのと引き換えに売却を決めたのではないかとも報じられている。ただ、FMHが26年5月12日に発表した3月期連結決算によると、本業のもうけを示す営業損益が87億円の赤字になった。今回、サンケイビルを外資系投資ファンドに売却する方向だとしても、フジテレビなどを巡る環境も思わしくなく、業績が改善していくかは未知数だ。財務省「コメントすることはありません」東京サンケイビルは、元々は国有地の払い下げを受けた経緯があるとされている。財務省東京財務事務所の第1統括国有財産管理官にJ-CASTニュースが取材したところによると、東京サンケイビルの土地の一部は、1953年に産業経済新聞社が大蔵省(当時)から売買で取得し、58年に、サンケイビルの前身にあたる産業会館ビルがさらに売買で取得した。また、残りの土地は、55年に産業会館ビルが大蔵省から土地交換で取得していた。取得額やどこの土地と交換したか、その経緯については、当時の書類が保存期間満了で残されていないために分からないという。今回、元国有地が外資系投資ファンドに売却方針とされていることについては、「こちらからコメントすることはありません」と答えた。一部報道を受け、「資産を切り売りしていくしかないんだろう」「売るタイミングとしては悪くないね」といった声もネット上であったが、元が国有地となる超一等地だけに厳しい声も相次いだ。「土地を外資に売るのはやめてほしい」「売却するとしたら国庫に戻されるべき」「政府が介入した方がいい事案なんじゃないか」などと書き込まれている。FMHは10月6日、「一部報道について」と題するお知らせを出し、釈明した。そこでは、「いずれの報道の内容も当社が発表したものではありません」として、「外部資本の導入方法、導入規模、導入時期などの詳細は、当社グループの企業価値及び株主共同の利益の最大化の観点から現在検討中であり、公表する必要のある事項が決定され次第、適時適切に開示してまいる方針です」と述べた。また、「都市開発・観光事業への外部資本導入の検討開始は、当社が判断して決定したものであり、特定の株主や投資家等の意向で行ったものではありません」と強調した。(野口博之)
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