「アザラシ幼稚園」運営財団、「2週間以内に破産手続き」検討...深刻な財政難訴え 70頭が「生き延びる機会失う」

   「アザラシ幼稚園」の愛称で日本でも親しまれていたオランダのアザラシ保護施設を運営する「ピーテルビューレン海洋アザラシセンター財団」は2026年10月12日(日本時間)、「深刻な財政難に陥っている」「約2週間以内に破産手続きに入る見通し」と発表した。

  • ピーテルビューレン海洋アザラシセンター財団の公式サイトより
    ピーテルビューレン海洋アザラシセンター財団の公式サイトより
  • ピーテルビューレン海洋アザラシセンター財団のインスタグラム(@zeehondencentrum)より
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市と州が支援から撤退を通知

   同財団では、病気や怪我をしたアザラシや親とはぐれた子アザラシなどの保護やケア、研究を行っている。2024年頃、保護されたアザラシのプールを映したYouTubeのライブ配信が日本のSNS上で大きな注目を集め、寄付を報告する人もいた。

   同財団は公式サイトで、詳細を説明した。発表によると、同財団は25年4月、オランダ北部のラウウェルスオーフに「ワッデン海世界遺産センター」(WEC)という名称で施設を移転。しかし、当初の予定よりも多額の財政負担が判明したほか、外部業者のミスによる多額の損失の発生や追加工事をめぐる紛争も起きたとした。さらに、過去数年から現在にいたるまでの事業運営が赤字だったため、財政状況が急速に悪化したという。

   同財団は、コスト削減や新たな収入源の模索、募金活動などで改善を図ったが、これらの対策は短期的には「不十分」であったため、ヘット・ホーヘラント市およびフローニンゲン州と、支援を受けるための協議を進めていたという。

   しかし10月8日、同財団に対して市および州は、債権者との和解協定や追加支援に関与しない意向を突然伝達したと説明。これにより、債権者との和解協定を通じて解消する見込みだった約280万ユーロ(約5億円)の資金不足を埋めることが困難になった。

   同財団は、旧施設は老朽化が進んでいたため、移転は避けられなかったと説明。アザラシの保護やケアに加えて科学研究、教育、情報提供を行っており、自治体や州を含む複数の公的機関も建設を支援してきたと訴えた。

   発表によると、アザラシの保護施設は11月から12月初旬のハイイロアザラシの出産シーズンの前に閉鎖を余儀なくされる見込みだという。そうなれば「今後数か月の間に、70頭のアザラシ(その半数は生まれたばかりの子アザラシ)が生き延びる機会を失うことを意味する」と説明している。

   一方、同財団の理事会は「来館者数の見通しや不測の事態への対応について、楽観的すぎた可能性がある。さらに、外部の専門家の関与があったにもかかわらず、深刻な財政問題が完全に明らかになったのは遅すぎた。我々はこれについて責任を負う」と自らの責任を認めているとした。

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