人材派遣会社のUTグループ(東京都品川区)は2026年10月15日、子会社のUTエイムに出向していた元従業員が、私的流用を目的としてUTエイムの社名を騙り、取引先であるヒューマンクリエイションホールディングス(東京都千代田区)の子会社に対し4億円相当のQUOカードを発注、受領していたことが判明したと発表した。
「元従業員による不正な詐欺行為ないし背任行為」
UTグループの発表によると、同社は10月5日に取引先からの連絡で、不正行為の疑いを把握。調査の結果、元従業員がUTエイムの業務と関係なく、また、UTエイムの正当な権限に基づかないまま、4億円相当のQUOカードを発注し、受領していたことが判明したという。
UTグループは、「元従業員による不正な詐欺行為ないし背任行為」だとし、捜査機関に相談し、捜査に全面協力しているとした。
また、ヒューマンクリエイションホールディングス側で発生している未回収金については、UTエイムの正当な権限に基づかない発注だったため、UTエイムに支払義務はないと考えているとし、協議を進めているとした。
UTグループは、今回の不正行為を受けて内部調査委員会を設置したと報告。関係者に謝罪するとともに、「このたびの事態を深刻に受け止め、再発防止に向けて取り組むとともに、当社及び当社グループ会社のガバナンスおよびコンプライアンス強化と社員教育の徹底に努めてまいります」とコメントした。
ヒューマンクリエイションホールディングスも報告
この問題をめぐっては、ヒューマンクリエイションホールディングスも公式サイトで発表し、経緯を説明している。
発表によると、同社の子会社であるコスモピアは、グループが従前から使用していた受発注支援プラットフォーム企業を介し、UTエイムの従業員から「QUOカードの購入代行及び仕分け配送に係る取引」の打診を受けた。コスモピアは、UTエイムとの取引だと認識し、受諾したという。
コスモピアは、8月と9月に累計4億円相当のQUOカードを購入し、指定されたUTエイムのオフィス宛てに納品。依頼した従業員が受領したが、8月分の支払期日になっても代金の入金がなかったという。そこで、UTエイムに確認したところ、依頼した従業員とUTエイムから、同社が「承認した取引ではない」旨の説明があったとした。この説明を前提にすると、
「コスモピアは、UTエイムの従業員がUTエイムによる正式な取引であるかのように装うことによって、当該従業員に400百万円相当のQUOカードを交付させられ、同品を詐取されたということになります」
と、説明した。
4億円相当のQUOカードについては、「現時点において、その所在及び利用・処分状況の全容を確認できておりません」と報告した。
ヒューマンクリエイションホールディングス側は、UTエイムおよびUTグループに対し調査と報告を求めるとともに、解決に向けた申し入れを行っているとした。
また、ヒューマンクリエイションホールディングスは弁護士や公認会計士である社外取締役・監査役を含む社内調査チームを立ち上げ、事実関係の全容解明や対象となる取引範囲等の特定、原因分析、再発防止策の検討を進めていると報告した。
同社は現時点で回収可能額を合理的に見積もることが困難として、未回収となる可能性のある4億円全額を特別損失として計上する見込みとしている。