高市早苗首相による2025年11月の台湾有事発言の影響で、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかける中、中国人が多く訪れていた大阪では、全国と比較しても中国人観光客の減少が目立っている。大阪観光局の発表によると、26年1~8月に大阪を訪れた中国人客は150万1000人。前年同期の389万7000人から61.5%減少した。同じ期間に日本を訪れた中国人客は56.7%減。全国的に中国人客が大幅に減る中、大阪の減少率は全国を約5ポイント上回っている。万博と中国人観光客で、平均客室単価が下落?大阪を訪れた外国人客は、25年1~8月の1178万9000人から、26年同期は1097万1000人となり、6.9%減少。全国の訪日外国人客が同期間に2.7%減だったのと比べ、大阪の落ち込み幅は大きい。8月単月でも、中国人客は前年同月の61万9000人から25万4000人となり、59%減った。ただ、25年4月から10月は、大阪・関西万博が開かれており、数字に影響を与えている可能性がある。一方、中国人客を除いて計算すると、25年1~8月に大阪を訪れた中国以外の外国人客は789万2000人だったが、26年同期は947万人で、約20%増加した。中国人客が大幅に減る一方、韓国や台湾など他の国・地域からの旅行者が、その落ち込みを一定程度補っている格好だ。他方で、観光産業ニュース専門サイト「トラベルボイス」が報じた、ホテルデータ分析会社STRの分析によると、26年7月の平均客室単価の下落幅は、ミッドスケールが最も大きく(前年同月比21.7%減)、最上位クラスのラグジュアリーも3.1%減。万博終了に加え、他エリアと比較し中国人観光客の構成比が高く、その影響がマイナス成長に出ていると分析されている。関空の中国路線は、7割減が続く大阪で中国人観光客の減少が目立つ中、中国と大阪を結ぶ航空便も大きく減っている。関西エアポートが10月16日に発表した26年冬期スケジュールによると、関西国際空港の中国路線の便数は、渡航自粛前の24年冬期と比較し、7割減の状況が続いている。一方、中国路線を除いた国際線旅客便は7%増を見込んでおり、中国線の落ち込みが突出する形となった。実際の利用実績では、26年4月~9月に関空を利用した中国方面の旅客数は前年同期比38%。これに対して、同時期の韓国が125%、台湾・香港・マカオが110%と前年を上回った。中国と日本の往来はいまだ回復していない。新千歳は、冬ダイヤで中国便増便へ一方、中国路線で増便を行う動きもある。北海道の新千歳空港では、中国・春秋航空の上海線が、冬のスノーシーズン前の10月25日に始まる冬ダイヤで週2便から週4便になる見通しだ。記者が同社のHPを確認すると、増便となった曜日の航空券が購入できるようになっていた。中国人の観光客は大きく減少している中、一部航空会社では増便の動きが出てきている。ただ、基本的には中国との関係は冷え込んだまま。高市首相の影響がどこまで長引くのか、中国人観光客の需要が大きい大阪や東京など大都市圏の航空便が回復するのはいつになるのか、インバウンド業界関係者の心配はまだ止むことはない状況だ。
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