高市早苗首相は2026年10月5日の所信表明で、「私が貫く志は『経世済民』です」と胸を張った。経世済民とは「経済」の語源で、世を経め(おさめ)、民を済う(すくう)という意味だ。一見、平和で豊かな世の中を目指すという意味のように聞こえるが、「いや、強烈な違和感がある」と10月18日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)で寺島実郎氏(日本総合研究所会長)が痛烈に批判した。
「皇帝が世を治め、民を救うという意味」
「漢籍、中国の文献を引用したのですが、本当は、民主主義の指導者が使う言葉じゃないんです。帝王学、皇帝の目線なんです。皇帝が世を治め、民を救うという意味なんですね。強烈な上から目線(の言葉)です。皇帝とかが言うね」
高市首相が皇帝気取りというわけではないだろうが、選挙で選ばれた首相が決して使うべき言葉ではなく、そのことを知らないのだろうかというのだ。
高市首相の「積極財政」は官製資本主義
さらに、「誰が入れ知恵しているのかわからないけど、民主主義というものを大切にするんだという姿勢が見えないというか、強烈な国家主義、国権主義、要するに権力のための志みたいなものは、強烈に強いんだなということを感じます」と懸念している。
また、責任ある積極財政を旗印に、総額370兆円規模の官民巨額投資で需要を生み出すという方針も、寺島氏によると「官製資本主義であって、国が引っ張っていって経済を成功させるんだ」と、ここでも国家が前面に出てくると警戒している。
高市政権のスローガンは「日本列島を、強く豊かに」だが、本来は「日本国民の暮らしを、強く豊かに」ではないのか。
(シニアエディター 関口一喜)