「国策漫才」の声も...政府が夫婦漫才で安全保障PR 内閣府は防衛費増額への理解醸成を否定

   政府の施策を発信するサイト「政府広報オンライン」で、キャラクターが夫婦漫才をしながら安全保障の重要性を解説する特集ページが公開され、SNSで批判が出ている。防衛費増額への理解を広げる狙いがあるとの見方もある。

   だが内閣府政府広報室の担当者は2026年11月5日の取材に対し、「そうした意図は全くない」と回答。エネルギーや通信などの身近なものが安全保障と関わっていることを訴求する狙いだと説明した。

  • 吉本興業のプレスリリースより
    吉本興業のプレスリリースより
  • 政府広報オンラインの公式サイトより
    政府広報オンラインの公式サイトより
  • 吉本興業のプレスリリースより
  • 政府広報オンラインの公式サイトより

キャラクターが安全保障と暮らしの関わりを語る

   特集ページは10月26日に公開された。吉本興業が制作に関わっている。オリジナルキャラクター「くにお」と「たみよ」が夫婦漫才をしながら、安全保障と暮らしの関わりを語る内容だ。

   妻のたみよが「『安全保障環境の変化』『防衛力を強化』って言われても、なんかよう分からんし、わたしにはあんまり関係ない気がすんねんな~」と言うと、夫のくにおが食事や電気なども「海の向こうや宇宙とつながって届いてるねん」と説明する。

   つぎに「安全保障は、毎日の暮らしを守る話」との見出しがあり、食料・エネルギー・物流や、ネット環境、外交、AIなど7つのテーマを取り上げ、それぞれ安全保障とのつながりを解説している。

   共同通信は11月3日付の記事で、今回の特集ページについて、防衛費増額への理解を醸成する狙いがあるとした。また官邸筋の話として、「殺傷などおどろおどろしい言葉を使わなければ、反応はもっと好意的になるはずだ」と報じていた。

提案の上限額は1億5000万円

   内閣府政府広報室の担当者は5日の取材に対し、防衛費増額への理解を促進する狙いはなく、重要政策の広報の一環として、安全保障について知らせる目的だと説明。そのうえで次のように話した。

「サイトでも取り上げている通り、エネルギーや通信など身近なものが安全保障に関わっていることを訴求するものです。あまり安全保障に関心がない方などにもじつは関わっているのだと伝わるよう広報しています」

   今後は、夫婦漫才形式の動画や、内容を振り返る理解度チェックを公開する予定だ。防衛費の金額については「特には触れる予定はない」としている。

   委託については、企画競争で調達し、提案の上限額を1億5000万円にしたと説明。複数社から提案があり、テーマや訴求のターゲットなどを踏まえ、吉本興業の企画が最も適切だと総合的に判断したとしている。最終的な金額は実施後に精算して確定するという。

   SNSでは「国策漫才」などの批判もあるが、担当者は「そうした意図は全くない」としたうえで、分かりやすく伝えることが目的だと説明した。

姉妹サイト