2024年 5月 2日 (木)

食べ物の栄養効果を10倍アップする調理術 シジミ汁にはお酢、トマトにはマヨネーズ

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【あさイチ スゴ技Q】(NHK)2017年12月5日放送
ひと手間で食材の栄養アップ!目からウロコの調理法

   毎日の食生活で、調理方法をひと手間工夫するだけで、吸収される栄養が3~10倍も多くなるという。

   食材の栄養効果を最大限に引き出す野菜の切り方や、女性に不足しがちなカルシウムを増やす調味料の使い方、美肌効果につながる栄養をアップさせるトマトの食べ方など。栄養学と料理の専門家が知らないと損をする秘伝の技を紹介する。

  • トマトの栄養を引き出す調味料はマヨネーズ
    トマトの栄養を引き出す調味料はマヨネーズ
  • トマトの栄養を引き出す調味料はマヨネーズ

豚肉カレーにはタマネギはみじん切りで

   東京・新橋にある東京慈恵会医科大病院では、元気が出て、入院患者に人気ナンバーワンの病院食メニューがある。豚肉とタマネギを混ぜ合わせたカレーだ。これが、最近お疲れの人が疲労回復効果をアップさせるレシピにもなる。同大学病院栄養部で管理栄養士をしている赤石定典さんが調理方法の秘訣を教えてくれた。

赤石さん「まず、食材としては豚肉とタマネギの組み合わせが絶妙です。豚肉には疲労回復効果のあるビタミンB1が豊富ですが、なかなか吸収されにくいのが難点です。これがタマネギに含まれる『アリシン』という成分と合わさると、吸収効果が10倍あがるのです」

   その際、タマネギをできる限りみじん切りに細かく切ることがポイント。こうすると、タマネギの細胞壁が壊れ、中からアリシンがたくさん出てくるのだ。そして、みじん切りしたタマネギを10分間ほど放置すると、さらにアリシンがたくさん出てくる。

   また、「タマネギ博士」こと北翔大学学長の西村弘行さん(農芸化学)によると、調理する時にもポイントがある。一般にカレーを作る時には、タマネギだけを先に火にかけるが、これは疲労回復効果を狙ううえでは損な作り方。というのは、アリシンは熱に弱いからだ。だから、豚肉と一緒に合わせて中火で炒めるのがコツ。アリシンは、ひとたび豚肉のビタミンB1と結びつくと、今度は熱に強くなるので大丈夫なのだ。疲れた時は、豚肉とたくさん刻んだタマネギを一緒に火にかけるのがオススメだ。

シジミ汁にお酢を入れるとカルシウムが3倍に

   さて、忘年会シーズンの到来で酒を飲む機会が増えてくるが、そんな人にオススメなのが、二日酔い解消効果がある「オルニチン」が豊富な「シジミ汁」だ。オルニチン効果をさらにアップさせるコツを、東京・恵比寿で貝料理専門店「焼貝あこや」を経営する延田然圭さんが紹介した。

延田さん「シジミを冷凍することがポイントです。オルニチンが8倍も多く出てきます。冷凍しじみを調理する場合は、沸騰したお湯から煮ることが美味しく食べるコツです。水から煮るとドリップ(肉汁)が出て生臭くなります」

   オルニチンは美肌効果も期待されるから、女性がシジミ汁を作る時はぜひ覚えておくとよい方法だ。さて、そのシジミ汁だが、ある調味料を入れてから煮ると、女性に不足しがちなカルシウムの摂取量も増やすことができる。「お酢博士」として47年間研究を続けている東京農業大学名誉教授(生物資源学)の小泉幸道さんがこう説明する。

小泉さん「それはお酢です。酸っぱさを感じないくらいの量、1人分で水1カップに対し酢小さじ1杯半を入れるのです。実験では、しじみを8分煮たところ、お酢を入れなかった場合に比べ、何と3倍以上のカルシウムが抽出されたというデータがあります」

   お酢を使うと、酸の作用でシジミの貝殻からカルシウムが溶け出すからだ。ただし、お酢の入れすぎると、シジミ汁の味がかわるので要注意。小泉さんが作ったお酢入りのシジミ汁を番組スタッフが飲むと、酢小さじ1杯半の量では、お酢を入れたとわからなかった。

小泉さん「シジミ以外にも、アサリなどの貝類や骨付き肉などの料理にも、お酢を使うと貝殻や骨からカルシウムが溶け出てきます。これは酸があるレモン汁を使っても同じです。お酢の中では米酢が一番のオススメです」

トマトは冷蔵庫ではなく玄関に保存しよう

   さまざまな料理に使われて人気のトマトも、保存の仕方や調味料によって栄養効果が違ってくる。東京都内の老舗青果店店主・関川里美さんは、まだ青さの残るトマトを店の奥に常温で並べて保存している。3日ほどたつと真っ赤に熟して甘さが増すからだ。トマトには、赤色の色素成分のリコピンが含まれている。リコピンは、強力な抗酸化作用を持ち、高血圧、糖尿病、がんや動脈硬化、さらには悪玉コレステロール減少させ、ダイエットや美肌の効果もあると注目を集めている成分だ。

   日本獣医生命科学大学客員教授(調理科学)で料理研究家の佐藤秀美さんによると、トマトが熟して赤くなると、リコピンもどんどん増える。

佐藤さん「10日間、常温で保存すると、リコピンが20倍以上増えるというデータがあります。20度ほどの温度で保存するのがよく、冷蔵庫の中より、室内に置いておくのがいいです。私は家の玄関の段ボール箱の中に入れています(笑)」

   ここで佐藤さんがクイズを出した。トマトにかける調味料は、「塩」「ポン酢」「マヨネーズ」のどれがリコピンをあますところなく摂るのによいか。正解はマヨネーズだ。マヨネーズは油を75%含んでおり、リコピンは油に溶けるので一緒に摂ると吸収がよくなる。マヨネーズだけでなく、オリーブオイルや牛乳、ヨーグルト、チーズなどの油を含む乳製品と一緒に摂るのもよいという。

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