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【FX座談会】学生投資家はブリクジットにどう挑むのか FXの達人がアドバイスした

   英国が欧州連合(EU)から離脱する期限、2019年3月29日が間近に迫ってきた。

   大学のサークルで投資を楽しんでいる大学生は、ブリクジットをどのようにみているのか。「稼ぐ」FXトレーダーで知られる、おばらっちさんと児山将さんがアドバイスした。

 
  • 大学の投資サークルで活躍する面々に、FXの「達人」がアドバイス
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ドル円はあまり影響ないんじゃない

   米中貿易協議や2回目の米朝会談と、注目されたイベントがひとまず終了。外国為替市場は短期的な動きが見られたものの、相変わらずさえない。次の「関門」は英国のEU離脱だ。

「サプライズはあるのか!?」(國學院大学のKISHU君)
「サプライズはあるのか!?」(國學院大学のKISHU君)

   國學院大学 KISHU君「英国のEU離脱、どうしようかなって。みんな、どう考えているのか、聞いてみたいな、と。相場やっている人は、気になるところだと思いますが......」

   慶応義塾大学 ぷーたろー君「そうですね。気になるけど、ドル円相場はあまり影響ないんじゃないかな」

   國學院大 KISHU君「何かサプライズの要素ってあるのかなって。『合意なき離脱』はなさそうだけど」

   慶應大 ぷーたろー君「離脱直後はポンドやユーロを中心にかなり乱高下するかもしれないけど、その日になってしまえば不安材料が消えて、別にいいんじゃないのっていう感じ(笑)」

   國學院大学 ネオニート君「なんか、あんまり考えてないですよね。その時に、ポンドで稼げればいいかな(笑)」

國學院大学のネオニート君は「ポンドで稼げればいいかな」と言って笑う。
國學院大学のネオニート君は「ポンドで稼げればいいかな」と言って笑う。

   児山将さん「なるほど。田中君はきっと、ボクと同じで材料は何でもいいから、大きく動いてほしい。相場は動いてくれればそれでOK。そう考えているんですね。でも、そういう人はいっぱいいます。その時、3月29日を待ちかまえている感じ」

   國學院大 ネオニート君「そうですね。その時は画面に張り付いてるかも(笑)」

   明治大学 レン君「あまりヘンな動きもなく平凡に終わるのかな。対ポンドでユーロが強くなるのはいいと思いますが......」

   専修大学 むっちゃん君「でも、平凡に終わらないシナリオあるんですか?」

「ブリクジット相場」は荒れないのか?(写真は、専修大学のむっちゃん君)
「ブリクジット相場」は荒れないのか?(写真は、専修大学のむっちゃん君)

   明治大 レン君「再投票とか、もしかしたらデモとか......。離脱の条件が変更されたり。スペインも離脱を考えているとか、そんな記事を読んだけど。(平凡に終わるって)サプライズがないことかな」

   専修大 むっちゃん君「なんか、サプライズがあるようには思えないんですよね。情報が入手できていないのかなぁ」

   おばらっちさん「ボクは、基本的にはヘンなサプライズがなければ、市場は織り込み済みの展開ということで、その時期の流れが継続するのかなとみています。それこそ、残留したい人って保守派でおとなしい人なので暴動しないだろうと、ちょっと思いましたよ。でも、それもこれもふつうのニュースやSNSの情報です。特別な情報源があるわけじゃない(笑)。そこは知り得た情報をどう受けとめるか、ですよ」

「ロンドンフィックスが、気になります」という慶應義塾大学のぷーたろー君
「ロンドンフィックスが、気になります」という慶應義塾大学のぷーたろー君

   慶應大 ぷーたろー君「もし何かあったら、英国行ってポンド安なので英国とヨーロッパを周ってこようかなって(笑)。個人的には3月29日に英国が離脱してからのロンドンフィックス※がどうなっていくのかが気になります。影響はあまりないと思うんですが。このイベントで、何かしらの変化があるのかなあと」

《ロンドンフィックス》
東京外国為替市場の仲値(9時55分)に相当する時間で、その日の対顧客向け取引レートや両替レートの基準を決める。 日本時間の午前0時がロンドンフィックス(夏時間)。値動きが激しい時間帯でもある。

   おばらっちさん「為替相場の中に置かれている、現在のロンドンフィックスの重みというのが多少変わってくる可能性がないとは言えませんね。もちろん大陸側と英国なんで、つながりは相当大きいし、貿易関係もかなりあると思うので、実需的にはそこまで変わらないかなと思うのですが、そこが若干気になります。おそらく月末のフロー(流れ)って、かなり変わりますよね。ユーロとポンドの値動きは結構激しくなりそうです」

ブリクジット直後は値動きが激しくなるかも(写真は、児山将さん)
ブリクジット直後は値動きが激しくなるかも(写真は、児山将さん)

   児山さん「それはほぼ間違いないと思いますね。それにうまくついていけるかどうか。何かあるかどうかはわからないけど、ここら辺はチャンスが来る可能性がある。備えておいて損はないからね」

「おいしい場面はない」

   おばらっちさん「どちらかというと、その日(3月29日)は対ユーロで少しポンドが上がるかもしれない。基本的にはそのときの流れが継続するかなと考えています。その日から数日間は多少の上下はあるかもしれないけど、基本的な流れはそんなに変わらないと思います」

「ブリクジットは分岐点。流れに乗れればいいなぁ......」(写真は、明治大学のレン君)
「ブリクジットは分岐点。流れに乗れればいいなぁ......」(写真は、明治大学のレン君)

   児山さん「ここ数年のイベントって、だいたい当日のうちに収束していますよね」

   おばらっちさん「その辺も、最近ちょっと極端だよね。昔はある程度の期間は影響したんだけど、このところはほとんどその日のうちに収束して終わり。そのあたりはトレードが難しくなってるというか、おいしい場面が少なくなってるような感じはするかな」

   明治大 レン君「ボクはこの機会を分岐点にとることができればいいかなと思います。その後のトレードの流れに、うまく乗っかれればなと。とりあえず様子を見て、何かありそうだったら触らないでおこうって。そういう考えです」

   おばらっちさん「そのあたりも考え方が二通りあって、大きく動くところがチャンスだと思って頑張る。逆に、大きく動くところはリスクも大きいからそこは取らなくてもいいやという考え方は当然あって、それはどちらが正しいとか間違いとかではないんですね。トレーダーの考え方やトレードスタイルのあり方ですから。

イベントにのるかそるかは「トレーダーの考え方次第」と、おばらっちさんは言う。
イベントにのるかそるかは「トレーダーの考え方次第」と、おばらっちさんは言う。

要するに、そこでなければ利益が取れないという相場はないんです。よく、兼業でチャートの見ていなかったときに『大きな動きがあって損した』という人がいるけれど、そのチャートを見ていて、『絶対稼げた』という確証はないので、それで『損した』と思うこと自体がすごく無意味な考え方だと思うんですよ。でも、あとから大きく動いていたチャートを見ると、簡単そうに見えるからね。ただ、そういうふうに思っている人に限って、なかなかうまくトレードできない人が多い。それより自分が今直面しているチャートで利益が取れそうっだったらやる、そうじゃなければやらない。そのあたりの見極めが大事だと、ボクは思っています」

   学生一同「ありがとうございました。3月29日、為替相場に注目しています」

 その後、英国のEU離脱期限(2019年3月29日)が迫るなか、「合意なき離脱」を回避するため、EUが2週間の延期を提案。英国がこれを受け入れている。


プロフィール

レン
明治大学2年。
J-CAST会社ウォッチのFX大学対抗戦に参戦しています。FX投資を始めて6か月ほどなので、まだまだよくわからないことが多いですけど、なんとかやっています。(笑)

ぷーたろー
慶応義塾大学2年。
父の影響で、株式投資を中学2年生から始めました。趣味は麻雀とプログラムとカブ。ぷーたろーというペンネームで活動していて、現在プログラミングのポートフォリオを作っています。

KISHU
國學院大学3年。
大学1年のとき、FXから相場の世界に入りました。株式投資は2年生の夏くらい。仮想通貨も、チャイナショックの少し前から始めました。投資サークルの仲間とワイワイ考えるのは楽しいです。

ネオニート
國學院大学3年。
FXオンリーです。経済状況とかもわからない(笑う)。テクニカル投資、一本でやっています。J-CAST会社ウォッチのFX大学対抗戦では現在、ぶっちぎりのトップです!

むっちゃん
専修大学1年。
仮想通貨投資が約8か月、株式投資が6か月くらいのビギナーです。株式は主にスウィングトレード。仮想通貨は「チャンスだな」と思ったときに、すこし投資するという程度です。FXもやってみようかと......。為替相場は気になるので毎日チェックしています。

児山将(こやま・しょう)
個人投資家
FX投資を中心です。FXが9年ほど。株式投資と商品先物(CFD)と仮想通貨が、それぞれ2年くらいになります。デイトレから短めのスウィングくらい。最近は株式投資のウエートが高いですね。

おばらっち
「稼げる」兼業FXトレーダー。
投資はFX専門。リーマン・ショック後の2009年7月に取引を開始。それ以前の20代後半は、軽井沢でフレンチレストランのオーナーシェフ。その後、エンジニアとしてシステム開発会社に勤務。不況で会社の業績が思わしくないときに、同僚から「儲け話がある」と誘われて飛び込んだのがきっかけ。2010年5月ぐらいにとりあえず食っていける、月に100万円前後は稼げるようになった。「おじさんでも、けっこう頑張ってるほうかな」と。