2024年 5月 6日 (月)

都心の高層マンションには「緊張感のある家具」が似合う

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「東京湾ごしの東京」が似合うソファ

ニコラ氏のデザインしたソファ「Intersect」。大理石のようなテキスタイルが特徴的で、テキスタイル・デザイナーの須藤玲子さんと対話しながら作ったそうだ
ニコラ氏のデザインしたソファ「Intersect」。大理石のようなテキスタイルが特徴的で、テキスタイル・デザイナーの須藤玲子さんと対話しながら作ったそうだ

   会場の中央に、グエナエル・ニコラがデザインした「ホテルのための家具」のひとつ、Intersectというソファがあった。きちっと座るべきカタチなのだが、座る向きによって会話軸がねじれたりする面白さがある。ニコラらしいひねりだ。一見大理石のような表情のモノクロのテキスタイルも利いている。

   ふと想像をめぐらせ、そのソファの背景に「東京湾ごしの東京」を置いてみる。よく似合う。タワーマンションにほしいのも、こういう緊張感のある家具なのだ。考えてみれば、隣人との会話もあまりないタワーマンションでの生活は、ホテルでの生活と似ている面がある。リラックスしているところに突然仕事がメールでやってきて、すんなりと仕事に戻ったりするには、部屋にも緊張感がないといけない。

   artiの提案は確かに商業空間や公共空間への提案だが、今日の暮らし方によく合った提案だとも言えないか。今の暮らし方から家具をもう一度考える。そこには実は新しい領域が広がっている。

坂井直樹


※「arti」レセプションでのインタビュー映像は「emo-TV」 こちら>>



◆坂井 直樹 プロフィール
ウォーターデザインスコープ代表/コンセプター。1947年京都市出身。京都市芸術大学デザイン科入学後、渡米。サンフランシスコでTattoo Companyを設立。ヒッピー達とTattooT-shirtを売り、大当たりする。帰国後、ウォータースタジオを設立し、日産「Be-1」「PAO」のヒット商品を世に送りだし、フューチャーレトロブームを創出した。2004年デザイン会社、ウォーターデザインスコープ社を設立し、ケイタイを初めとした数々のプロダクトを手がける。現在auの外部デザイン・ディレクター。07年9月、新メディアサイト「emo-TV」を立ち上げる。

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