2024年 4月 25日 (木)

「炎のある暮らし」都会でも実現 ペレットストーブは「気持ちいい」

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   木を燃やすことで得られる、柔らかな暖かさがある。炎を見る楽しさがある。

   原油価格の高騰や地球温暖化の問題が取りざたされるなか、森林整備による間伐材や製材時のおが屑などを有効利用するペレットストーブが、環境負荷の少ない暖房器具として注目されている。

「柔らかな暖かさ」が人気の秘密

木屑を固めてつくる燃料「ペレット」。直径約7ミリ×高さ10~20ミリの円柱状。木部だけでつくる「ホワイトペレット」(左)や樹皮だけでつくる「バークペレット」(右)、木部と樹皮が混合の「全木ペレット」(中)がある。
木屑を固めてつくる燃料「ペレット」。直径約7ミリ×長さ10~20ミリの円柱状。木部だけでつくる「ホワイトペレット」(左)や樹皮だけでつくる「バークペレット」(右)、木部と樹皮が混合の「全木ペレット」(中)がある。

10段階の温風量設定、5段階の火力設定ができるイタリア製のペレットストーブ「エコサーモ」
10段階の温風量設定、5段階の火力設定ができるイタリア製のペレットストーブ「エコサーモ」

電気を一切使わず、手動式のハンドルを回してゼンマイバネでペレットを供給する「信州型ストーブ」
電気を一切使わず、手動式のハンドルを回してゼンマイバネでペレットを供給する「信州型ストーブ」

   ペレットとは、木屑を固めた木質燃料のこと。ペレットストーブには国産もあれば、輸入ものもある。価格も性能もさまざまだ。全自動で火力調整が容易なもの、電気を一切使わないもの、 薪も燃やせる兼用型、調理ができるタイプなど。

   主流は、スイッチ一つで自動的に着火や消火ができ、ファンで空気を送り込んで燃焼させるタイプ。スイッチを入れると燃焼皿にぽろぽろと適量のペレットが落ちてきて、それを電気ヒーターで加熱して着火する。すると薪ストーブと同じように炎が燃え上がり、やがて上部の熱交換部から前面に温風が吹き出すという仕組みだ。

   ペレットストーブを実際に使っている人たちの感想として、「暖かさが柔らかくて気持ちいい」という声を聞く。気持ちよさの理由は「輻射熱」。空気を撹拌せずに遠赤外線で人体を直接温めるので、からだにやさしい。薪ストーブも同様だが、ペレットストーブでは輻射熱にプラスして温風で部屋を温める。この温風はエアコンのように不快な乾いた風ではなく、心地よい柔らかな温風だ。また石油ストーブのようにいやな臭いもない。

   木屑を固めたペレットは充分に乾燥しており、燃焼効率は最大99%といわれる。煙突にヤニや煤がこびり付きにくく、メンテナンスは薪ストーブよりずっと容易。灰は少なく、菜園などに撒いて利用することもできる。一冬に使うペレットの量は、東京など比較的温暖な土地で500キログラム~1トン。寒冷地では1~2トンが目安だ。10キログラムの価格は400~600円前後。多くの場合、10キロや20キロ単位の袋入りで製造工場から直送される。

   炎のある暮らしに憧れて薪ストーブを購入したが、煙のにおいや煤煙が近隣に迷惑を掛けるので使えない、という話を聞く。しかしペレットストーブならば、煤煙や火の粉が出にくいので住宅街でも使うことができる。また条件が合えばマンションにも設置可能だ。

「住む。」編集部



住む。表紙
◆住まいと暮らしの雑誌「住む。」 http://www.sumu.jp/
住まいと暮らしに関するいろいろな知恵や工夫が学べる季刊の雑誌。昔から伝わる気候風土に適した知恵、あるいは現代の先端技術などの知識を提供し、ときには、食や衣まで含めて考える。また家から排出されるCO2の量を削減したり、ゴミを減らすことなども考慮した「住まい」を考える。住まいは、暮らしこみの姿であり、生き方の表現。この雑誌では、そうした住まいと暮らしに関わるさまざまな知恵や工夫、そして住まいの本質を「知ること」が愉しめる。発行・泰文館。

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