「マントラ」をアルバムにした 尼僧アニ・チョイン・ドルマ

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インナー・ピース
アニ・チョイン・ドルマ
2940円
10月15日発売
URM-0001
Universal Relaxation MUSIC


   日本には「言霊」という言葉がある。「言葉に宿る霊的な力」とでも言えばいいのだろうか。簡単に言えば、上司に罵られ続けることで部下が萎縮するなどということも、ある種「言霊」の説明になりうるだろう。子どもは誉めて育てろ、と言うのも同じことだ。こうした言葉の力の究極が、マントラ(真言)と言えるかもしれない。サンスクリット語の「マン」=精神、「トラ」=守護からきている言葉だ。宗教的なカテゴリーでいえば、日本人なら誰でも一度は言葉にしたことがある「南無阿弥陀仏」だとか「南無妙法蓮華経」などはマントラに当たる。キリスト教の「アーメン」もマントラだ。

   かつてドイツのJ・E・ベーレントというジャズ評論家が「世界は音-ナーダ・ブラフマー-」という優れた著作を出した。その内容は簡単に言えば、波動が世界を包む、音楽もまた波動であり、波動が世界を良くも悪くもするというもの。マントラは究極の波動を生む言葉だとも書いている。

   そのマントラを音楽として再生する人々もいる。アルバム『Embrace』などを出しているデヴァ・プレマールは、その3枚の作品すべてをマントラで構成しているが、今回紹介するアルバムは、マントラを音楽のように唱える尼僧のアルバム。

   アニ・チョイン・ドルマは、13歳で入寺したネパールの尼僧。導師。CDの収益を、女性の教育や仏法的考え方を広める活動に役立てている。日本では馴染みはないが、ヨーロッパなどでは精神的な導師として評価されている。4曲(と言っていいのかわからないが…)それぞれが、日本流に言えば摩利支天、釈迦牟尼如来、白多羅菩薩、観音菩薩のそれぞれの真言をメロディに乗せて唱え続ける。言い換えれば「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」と唱え続けているようなものなのだが、これが心地よい。宗教的概念から言えば、こうした真言を口にし耳にすることは、その影響を受けることになり、無信心、不信心の輩は聴かないほうが良いことにもなるのだが、世の中にはこうした音も存在し音楽として聴かれていることを、是非知っていて欲しい。

【インナー・ピース  収録曲】
1.ナモ ラトナ トラヤ ヤ
2.オム アマラニ ジバン テレ ソハ
3.オム タレ トッタレ トゥレ ソハ
4.オム マニ ペメ フン


◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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