2024年 4月 26日 (金)

新たに分かった花粉の怖さ ダイキン工業・京大が共同研究

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   花粉症のシーズンが目前に迫っている。花粉症といえば「スギ花粉がアレルギーを起こす」というのが一般的な理解だった。ところが、スギ花粉は、それ以外にも人間に対して「悪さ」をすることが、このほどダイキン工業(大阪市)と京都大学との共同研究で明らかになった。

   ダイキン工業は、00年に空気清浄技術であるストリーマ放電(プラズマ放電の一種)の研究を開始。これまでの実験で、ストリーマ放電を照射すると、カビ、花粉、ダニなどのアレルゲンの多くを分解することがわかっている。11年には、スギ花粉にストリーマ放電を照射することで、花粉症の原因となる2種類のアレルゲンの両方が消失することを実証した。

   同社が「ストリーマ放電を照射して、アレルゲンが消失したスギ花粉は、ヒトにどのような影響を与えるか」に着目した結果生まれたのが、今回の研究成果だ。実験では、ヒトの鼻や喉(のど)から肺につながる粘膜を構成する「気道上皮細胞」を培養し、ストリーマ放電を照射したスギ花粉と照射していない通常の花粉をそれぞれ接触させて反応の違いを調べた。その結果、ストリーマ放電を照射していない花粉を接触させた「気道上皮細胞」は、炎症を起こした際にできるタンパク質「IL-6」の量が増えたほか、細胞が破壊されて生存率が下がることが確認された。つまり、花粉アレルギーでない人に対しても、スギ花粉が何らかの症状をもたらす可能性が明らかになったのだ。

   一方、ストリーマを照射したスギ花粉を「気道上皮細胞」に接触させた際には、IL-6ができる量が少なくなり、細胞が破壊される割合も減少し、スギ花粉の有害性が抑制された。

   ダイキン工業の新井潤一郎・環境技術研究所主席研究員は、

「現時点ではイン・ビトロ(試験管の中)での成果だが、今後、スギ花粉が人間に与える影響をさらに解明するとともにストリーマ放電の効果の検証を進めていきたい。」

と、今後のさらなる実験成果に期待を込めていた。

空気清浄機を選ぶポイントは「集じん力」

実証実験の成果について説明するダイキン工業の新井潤一郎・環境技術研究所主席研究員
実証実験の成果について説明するダイキン工業の新井潤一郎・環境技術研究所主席研究員

   では、これから本格的な花粉シーズンを迎えるにあたり、誰に対しても害を及ぼす可能性があるスギ花粉には、どのような対策方法が有効だろうか。

   ダイキン工業によると、「外出時にはマスクの着用などが有効ですが、帰宅時や換気、洗濯物の取り込みの際に花粉は家の中に入ってきます。室内に入ってしまった花粉の対策には空気清浄機で、すばやく花粉を集じんしていただくことが効果的です」とのこと。

   さらに、選び方のポイントとしては(1)実際に使う部屋の大きさよりも、やや広めの適用床面積の機種を選ぶこと。(2)集じん効率が長持ちする機種、フィルター方式に比べ目詰まりのしにくい「電気集じん方式」を採用している機種を選ぶことを勧めている。

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