『SilentSky:寂静的天空』DaiqingTana(黛青塔娜)演奏:HAYABAND『SilentSky:寂静的天空』TCD-92022400円2011年3月31日発売風潮音楽(WindMusic)/カルタコムモンゴルといえば、ホーミー/オルティンドー/馬頭琴くらいしか馴染みもない。ただその印象は強烈で、一度聴いたら忘れられない声、音。日本でモンゴルといえば、いまでは相撲取りを思い出す人が多いだろうが、今から20年程前には、オユンナというモンゴル出身の女性シンガー・ソングライターが活躍していた。素晴らしい声の持ち主だった。オユンナは、いまでも時々日本で歌っているという話を聞くが、残念ながら聴きそびれている。その彼女に匹敵する、いやそれ以上かもしれないモンゴル出身の女性歌手が、北京で活躍している。黛青塔娜=ダイチンタナがその人。日本で紹介されているCDは、台湾の「風潮音楽(WindMusic)」から発売されたものの輸入盤。台湾では2009年、日本では昨年3月末に発売されたが、東日本大震災もありまったく誰の目にも耳にもとまらなかった。もちろん筆者もスルーしていた。それを最近、カルタコムのカタログの中から見つけ出して聴いてみたが、これはちょっとスルーできなかった。民族音楽というわけではなく、しっかりと西欧的ポピュラリティーを持って音作りがされている。そのベースが哈雅楽隊=HAYABANDで、彼女は2006年に参加している。このバンドの音は2007年に中国で制作された『狼図騰』で聴くことができ、ダイチンタナも1曲ヴォーカルを担当しているようだが、残念ながら日本では手に入らない。2007年の10月には、代官山のUNITで行われた"第4回東京アジア・ミュージックマーケット"に参加していたそうだが、こちらも残念ながら参加していない。馬頭琴、ホーミーを奏することのできるメンバーがおり、モンゴルトラディショナルの香りも楽しめるバンド。ダイチンタナのヴォーカルは、とにかくヒーリング感溢れ、言葉の分からない我々にとっても、その声を聴いているだけで心のどこかのわだかまりが氷解していくような感覚になる。ゆるむ。アルバムには日本では馴染みがないが、香港生まれ・育ちの、世界で活躍する日本人パーカッショニスト・荒井壮一郎氏の名が見える。意外な名前を発見すると、意外に嬉しい。こういう歌が聴かれるようになれば、日本のササクレだった空気も少しは和みそうな気もするのだが……。加藤普【SilentSky:寂静的天空 収録曲】(ちなみに曲目の中国語表記を併記しておきます)1.SilentSky(寂静的天空)2.SnowMountain(雪山)3.Ongmanibamai(Ongmanibamai)4.QinghaiLake(青海湖)5.PassedTime(往日時光)6.DancerintheDarkness(黒暗中的舞者)7.MissingYou(懐念)8.GoldenBracelet(金色的[金蜀]子)9.Reborn(重生)
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