2024年 5月 14日 (火)

【書評ウォッチ】就職の対極にあるナリワイ 人生を盗まれない働き方とは

とらわれすぎず、したたかに読みこなせ

   「未来を見据えた、思想のある批評的ハウツーもの」と評者。そのとおりだが、思想・理想と現実は単純には相いれない。無条件に受け流すだけの評価でいいのかどうか。就活学生や切実に職を求める人にとって、これで物事が片づけば苦労はない。そこを読者は見きわめつつ、無責任な書評にとらわれすぎずに、したたかに読みこなす必要がある。

   8月15日は、終戦の日。「第一次大戦から」との見出しをつけて朝日の読書欄トップに、『20世紀の戦争』(メトロポリタン史学会編、有志舎)などがとり上げられた。評者は法政思想連鎖史の山室信一さん。しかし、8・15は第二次大戦・太平洋戦争の終わりだ。二つの大戦を関連づける理屈ならいくらでも言えるが、中心的な記事としてはどうか。紙面の作り方はほかにあるはずだ。内容面でも学者より普通の市民読者に向けて書いてほしい。どうもマニアックすぎる、あるいは若干トンチンカンな切り方と言われてもしかたない。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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