2020年 9月 21日 (月)

【書評ウォッチ】桑田佳祐を政治学者が真剣書評 まるで異種格闘技!

創業100年以上、大正製薬こだわりの品質。乳酸菌が入ったごぼう茶でいきいきとした毎日を。

   数々のヒット曲を生みだしてきたポップスターが、音楽活動の迷いや思いをストレートに書きしるした。『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』(桑田佳祐著、新潮社)が読売新聞に。

   自選88作の歌詞とともにソロワークス25年間を語ったエッセイだが、書評はそのへんに触れず、曲作りの「言葉を大切にする姿勢」を国際政治学者の評者がひたすら読み解こうとする。世代の違いか、周辺環境の差異か、この組み合わせ、なんだか異種格闘技の趣が漂ってユニークだ。それでも実はまじめでおもしろそうな内容が垣間見える。著者と本の魅力なのかもしれない。【2012年11月4日(日)の各紙からII】

中原中也らの文章にメロディを

『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』(桑田佳祐著、新潮社)
『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』(桑田佳祐著、新潮社)

   この人の曲作りはもともと「付け焼き刃的に歌詩(のようなもの)を考えていく」姿勢であったという。「文字数を埋めるため、比較的安易に英単語をつけ加えること」が多かったらしいと、評者・慶応大学の細谷雄一さんは紹介する。ところが「年を重ねるに応じて、言葉を大切にするべきだと考えるに至った」のだそうだ。

   順風満帆な道のりに見える音楽活動も「試行錯誤や迷いの連続であったことが分かる」、破天荒なパフォーマンスとは対照的に「曲作りに挑む姿は真剣そのもの」と評価は高い。

   転機となった曲を、書評はあげている。「声に出して歌いたい日本文学<Medley>」で、中原中也や高村光太郎の美しい文章に、桑田佳祐独自のメロディをあとからつけた。言葉が先にあるという、これまでとは反対のプロセスが新しい世界を開いた。その姿勢が東日本大震災の後に作られた「明日へのマーチ」などにつながり、「彼ならではの最高の優しい愛情表現」と評者は受けとめている。

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