2020年 11月 28日 (土)

【書評ウォッチ】書評欄にも「解散」風が 政治学者同士の場外論争

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   日米中韓、あちこちで政権が節目にきた。日本でも衆議院の解散・選挙のムードが徐々に高まっている。『政権交代』(小林良彰著、中公新書)と、ズバリのタイトルで、ここ三年余の民主党政治を中心に考えた本が東京新聞に載った。

   前回の総選挙で政権は自民党から民主党へ、さらにこれからの民主主義は……投票分析を専門とする政治学者が論じた。内容を当たり障りなく紹介するのではなく、反論を交えた書評を別の政治学者が展開している。にわかに論争の様相が、おもしろい。【2012年11月11日(日)の各紙からI】

比例代表制vs小選挙区制 どっちが良いか

『政権交代』(小林良彰著、中公新書)
『政権交代』(小林良彰著、中公新書)

   2009年8月の総選挙で、自民党が敗れ、今の民主党政権ができた。「国民が初めて投票によって直接に政権交代を起こした歴史的な出来事」「しかし、その後の民主党の政権運営はかつてない混迷、漂流状態」とまず、この流れを評者・名古屋大の後房雄さんが解説。

   本は、その総選挙で有権者は「民主党に投票した」のではなく「自民党に投票したくなかった」と分析。あれは自民党政権への「懲罰投票」だった、各党の政策を評価してやったわけではないと指摘する。

   さらに、鳩山、菅、野田政権の経過をたどったうえで、代議制民主主義は機能不全を起こしているとピシャリ。政党を重点にした比例代表制への転換を中心に首相国民推薦制などを提案する。

   一見新鮮ではあるのだが、これに評者が著者の「最大の問題点は」「小選挙区制は民主主義になじまないと断言するが」の言葉を使って、異議を唱える。「民主主義のタイプの違いを認識すべきである」「今必要なのは、ようやく政権選択という歴史的経験を生み出した小選挙区制をいかによりよく機能させるかという改革案のはずである」と、こちらは小選挙区制擁護論。どちらの選挙制度が良いのか、まさに政権交代を左右する問題に触れている。

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