2024年 4月 25日 (木)

「ピアノでもボサノバ、できるんだ」 今井亮太郎の演奏で「ブラジル人のノリ」に目覚める

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「100超あるリズム・スタイル」の微妙なニュアンスがわかる

「ピアノだけでボサノバをと言うのが、一番初めのコンセプト。だったらピアニストだったジョビンにスポットライト当てるのがもっと分かりやすいということで作り上げたのが、このアルバムです。隠れた名曲もありますが、皆さんの良く知っている曲を中心に取り上げました」

   本当にピアノだけで、ブラジリアン・ミュージックを演奏し、その楽しさを伝えられるか。その結論が、このアルバムであり、その答えは「YES」なのだ。

「ジャズ畑のミュージシャンが演奏することはありますが、ブラジル音楽専門のピアニストって、日本におそらく僕一人です。ブラジル音楽は民族音楽で、ブラジル人しか持っていないノリがあります。そこを勉強しないと本当の意味でのブラジル音楽にならないという大きな壁があります」

   譜面上では同じでもノリが違えば別物に聞こえる。そこのところも今井はキチンと演奏し分けている。このアルバムの最大の特徴は、まさにそのノリということになろうか。

「サンバには100を超えるリズムやスタイルがあってそれぞれに名前がついています。そうした微妙なニュアンスのわかる、ピアノ教則用CDと捉えてもらってもいい」

   この言葉、おそらく日本で唯一のブラジリアン・ミュージック専門ピアニストを自負する今井の、自信の表れでもあるだろう。

   今井は何度もブラジルに渡り現地でアパート暮らしをしながら、「ノリ」を勉強してきたという。

   今回のサンバ・ボサノバを中心とした曲について、こんなことを言う。

「サンバのノリはヨレているんですが、ボサノバのヨレは中でもフラットで、演奏しやすいんです。とはいえ、今回少しこだわったところがあって、それはポルトガル語の歌詞のリズムで弾いているという点。そのまま歌えます、というか歌っているように弾いています。インストだけど、そうしたバックボーンは大事にしたいと思って」

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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