【BOOKウオッチ】
「ソチ五輪」テロは大丈夫か 大国ロシアの威信かけた祭典

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   フィギュアスケートの浅田真央やスキージャンプの高梨沙羅らの金メダルが期待されるロシア・ソチ冬季五輪は2月7日(2014年)から開催される。ソチは黒海に面したロシア有数の保養地だが、五輪が近づくにつれ、伝えられてくるのは爆弾テロのニュースだ。世界最大の面積と波乱に富んだ歴史を持つロシアには様々な顔がある。大国の威信をかけた祭典を機にその一端に触れてみたい。

   J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」https://www.j-cast.com/bookwatch/でも特集記事を公開中

爆弾テロの根源はどこにあるのか

ヒストリカル・ガイド ロシア
ヒストリカル・ガイド ロシア

『ヒストリカル・ガイド ロシア』

   ロシアでの五輪といえば、1980年の旧ソ連時代のモスクワ五輪を思い出す。旧ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議してアメリカや日本など約50カ国がボイコットした大会だ。今回のソチ五輪でもイスラム過激派によるとみられる爆弾テロが相次ぎ、スポーツの祭典に政治が影を落とす。こうした争いの根源はどこにあるのか。

   『ヒストリカル・ガイド ロシア)』(著・和田春樹、1890円)は歴史刊行物に定評のある山川出版社のヒストリカル・ガイドシリーズの一環で、学者で市民運動家でもある著者によるロシアとロシア人の歴史だ。ルーシの都キエフ、幻想の都ペテロブルク、3つの顔をもつ都モスクワ――幾多の試練を乗り越えてきたロシアの今日までの流れを解き明かす。歴史上の人物を紹介するコラムもある。

ロシア・アヴァンギャルドを見直す

ペンブックス ロシア・東欧デザイン
ペンブックス ロシア・東欧デザイン

『ペンブックス ロシア・東欧デザイン』

   トルストイ、ドストエフスキー、ツルゲーネフ、チェーホフ――。ロシアの文豪たちは日本の読者にすっかりお馴染だが、その一方で、ロシア革命(1917年)前後を中心としたロシア・アヴァンギャルドについてはそれほど知られていない。絵画、演劇、建築、音楽、映画などあらゆるジャンルにわたる前衛的な芸術運動が展開されたが、スターリン体制の抑圧の中で終息していった。阪急コミュニケーションズの『ペンブックス ロシア・東欧デザイン』(編・ペン編集部、1785円)は、そうした運動の中から生まれた様々な作品をいま一度見直そうという一冊だ。

   中心を担ったロドチェンコやマレーヴィッチらの作品をはじめ、チェコの名車タトラなど、東欧も含めたレトロなデザインを写真と解説をまじえて紹介する。

ロシアで大好評だった「ハラキリショ―」

明治のサーカス芸人は なぜロシアに消えたのか
明治のサーカス芸人は なぜロシアに消えたのか

『明治のサーカス芸人は なぜロシアに消えたのか』

   今から約150年も前の幕末から明治にかけて、海外で活躍したサーカス芸人がいたとは――。とりわけ、ロシアに渡ったヤマダサーカスはショッキングな「ハラキリ」芸で人気を博した。その一座の中に「イシヤマ」「タカシマ」「シマダ」という名の3人の人物がいて、写真も残されていた。彼らは何者か。芸一つを武器に海外に飛び出し、ロシア革命と遭遇したサーカス芸人たちの運命をたどる。

   祥伝社の『明治のサーカス芸人は なぜロシアに消えたのか』(著・大島幹雄、1680円)は、早稲田でロシア文学を学び、研究者をめざすが、生活費を稼ぐために入ったイベント会社でサーカスと出会い、その魅力に取りつかれた著者によるノンフィクションの力作だ。サーカスへの温かいまなざしが行間ににじむ。

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