2024年 5月 3日 (金)

【書評ウォッチ】サビ残なくせば500万人分の雇用創出 「過労死」が告発するもの

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過労死対策は雇用対策

   もう一つの問題は、残業代がごまかされるサービス残業。これには公式の統計がない。経済学者で大阪過労死問題連絡会会長の著者は、日本全体のサービス残業を2012年で107億7004万時間と推計。こんなことは止めて正常な雇用で補ってはどうかというのは、過労死対策が雇用対策につながる一石二鳥の面があるからだ。

   アベノミクスにのって解雇規制がなし崩しにされそうな気配の中、「ちょっと待てよ」と声をあげた本でもある。「規制が必要なのはむしろ当然。著者の熱い想いが伝わってくる一冊」と、毎日新聞読書面の評者・中村達也さんも指摘している。

   『ホームレス歌人のいた冬』(三山喬著、文春文庫)が読売新聞に小さく。朝日新聞の歌壇ページに「ホームレス 公田耕一」と名乗る人の歌が載った。9カ月間に28首。大反響をよんだが、新聞紙上の呼びかけや雑誌記者の追いかけにもかかわらず投稿は途絶えた。

   本は元朝日記者の著者が探し歩いた記録だが、追跡だけでなく自身の思いが投影された内容だ。「写楽のように消えた」公田さんは、どこへ行ったのだろうか。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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