バロックの鬼才「カラヴァッジョ展」 日本で15年ぶり、西洋美術館で3月1日から

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   美術ファンが長く心待ちにしていた「カラヴァッジョ展」が2016年3月1日から東京・上野の国立西洋美術館で始まる。

   日本で大がかりなカラヴァッジョ展が開かれるのは15年ぶり。バロック絵画の先駆者と言われ、後世の画家たちに大きな影響を与えた名作の数々を、久しぶりに間近で味わえる機会となりそうだ。

  • 駅に掲げられた展覧会をPRする巨大看板(新橋駅)
    駅に掲げられた展覧会をPRする巨大看板(新橋駅)

キャッチは「ルネサンスを超えた男」

   カラヴァッジョ(1571~1610)はミラノ生まれのイタリア人画家。初期バロック絵画を代表する天才だ。

   ボッティチェリ(1445?~1510)、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)、ミケランジェロ(1475~1564)らが大活躍したルネサンス期が終わった後に登場した。そのあたりを意識したのか、今回の展覧会では「ルネサンスを超えた男」というキャッチコピーがついている。

   大げさで芝居がかったような場面描写や、今にも動き出しそうな躍動感――そうしたバロック絵画の特性をいち早く体現した画家のひとりだ。人物の姿をドラマティックに描く手法や、光と陰の明暗を明確に分けるインパクトの強い表現法は、やや遅れて登場するルーベンス、レンブラント、フェルメール、ベラスケスなどにも大きな影響を与えたとされる。

   それだけに美術ファンの関心は高く、前回、2001年に日本で初めて開かれた「カラヴァッジョ 光と影の巨匠-バロック絵画の先駆者たち展」(東京都庭園美術館)では、会場が小さいにも関わらず18万5597人が詰めかけた。

殺人事件まで引き起こす

   激しさを秘めた作品群と同じく、実人生も荒々しさに満ちていた。20代で名声を確立したが、粗暴な気性から刃傷沙汰を繰り返し、揚句の果てに殺人事件まで引き起こす。死刑宣告を受け、逃亡生活に。恩赦を求めてローマへ向かう途中で客死した。まだ38歳の若さだった。

   前回のカラヴァッジョ展で朝日新聞・外岡秀俊編集委員(当時)は「カラバッジョ、破滅への疾走、光と影の巨匠」と題し、同紙で次のように解説している

「芸術家には数奇な生涯を送った人が多い。だがカラバッジョは、ず抜けている・・・生来の荒くれだった。弟子もとらず、半月ひきこもって絵筆をとり、下絵もなしに一気に絵を仕上げた。残りの半月は絵筆の代わりに剣をおび、無頼の日々を送った」

   そして現地の研究者クダディヤル氏のこんな言葉を紹介している。

「カラバッジョはシェークスピアと同時代の人です。彼の作品は、絵画の中で繰り広げられる劇なのです」

   友人らは「異常なまでの才能」を惜しみ、墓碑銘には「自然そのもの以外に比肩しうるもののいない画家」と記されたという。

20世紀後半になって再評価

   カラヴァッジョの作品は世界で60点ほどしか残っていない。移動禁止の作品も多い。今回は約10点が公開される。前回のカラヴァッジョ展では8点だったので、それを上回る。「日伊国交樹立150周年記念」ということで関係者が尽力した結果だという。

   今回は、彼の影響を受けた各国の作品も含めて50数点を、「風俗」「五感」「光」などのキーワードで分けて展観する。作品と合わせて当時の裁判記録なども掲示、画家の芸術と波乱万丈の生涯を浮かび上がらせる。

   カラヴァッジョは17世紀前半には高い評価を受けていたが、その後、半ば忘れ去られ、20世紀後半になって再評価されるようになった。今回の規模の大回顧展は世界的にも異例だという。それだけに、主催の西洋美術館も力が入っているようだ。同展の紹介文で、「2013年のラファエロ展、ミケランジェロ展に続き、・・・いよいよカラヴァッジョが登場」と盛り上げ、館としての意気込みを示している。

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