2024年 5月 3日 (金)

「しをん・パパ」が『風土記の世界』出版 苦節12年、さすが岩波新書・・・

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消えた「風土記」には何が書かれていたのか

   「常陸」に登場する倭武天皇の伝承は十数例。概ね皇后と共に国内を巡幸する話だ。古事記や日本書紀の逸話と関連する話は一つもない。死の影はなく、穏やかな旅が語られている。このズレはなぜなのか。

   日本書紀の完成は720年、古事記は712年、風土記は713年に編纂命令が出ており、順次つくられたとされる。風土記の編纂者は、日本書紀や古事記の内容を知らないまま独自の編纂作業をしていた可能性がある。

   7世紀初めから8世紀初頭へ、古代日本の律令国家が形を整え、伝承が整理された。そうしたなかで、「皇位継承の順序や継承者の顔ぶれは、変転し揺れ動いた」「常陸国風土記の倭武天皇の伝承は、天皇家の歴史が確定する以前の、『もう一つ』の歴史や系譜を垣間見せている」と三浦さん。「古事記でもなく、ましてや日本書紀でもない伝承や系譜が、実はいくつも存在したのであり、常陸国風土記はその一つにすぎない」と推測する。

    そしてこう記している。「現存する風土記が五か国と逸文だけというのは...残念なことである。当時あった六十数か国のうち半分でも風土記が遺っていれば、古代の日本列島は、今とはまったく違う多彩な姿を見せてくれたに違いない」

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