「ホラーすぎる」と話題の絵本 「わかってほしい」が訴える虐待への思い

印刷

   小さい子に読み聞かせるものというイメージが強かった「絵本」だが、近年では大人が読んでも心に響く、「大人向け絵本」も定番となりつつある。

   そんな「大人向け絵本」で、ネット上でにわかに「内容が怖い」と話題になっている作品がある。

  • 痛切な思いを受け止めて
    痛切な思いを受け止めて

くまのぬいぐるみがどんどんボロボロに

   話題となったきっかけはこのツイートだ。

   添付されている写真を見ると、真っ赤な背景にどんどんボロボロになっていくくまのぬいぐるみ、「しんでびびらせるか」という言葉など、確かに衝撃的といえる内容だ。

   この絵本は、MOMOさん著/YUKOさん絵の「わかってほしい」(クレヨンハウス、2003年12月発売)というもの。ページを開くと、まず

「この本を 書いたのは 虐待が 少しでもなくなれば という思いと、自分を 変えるためです。」

というメッセージが目に飛び込んでくる。

   「なんのために うんだの?」「ねがいは ひとつだけ わかることは ひとつだけ あいされたい。」といった痛切な訴えとともに描かれたくまのぬいぐるみは、ページを追うごとに傷付き、腕が取れ、しまいには顔もなくなってしまう。

   最後のページには、

「虐待をする親でも 子どもには そのひとしか いない。このことを どうか わかってほしい。こころから。」

とのメッセージがつづられている。

著者自身も虐待を受けていた

   絵本には、著者のMOMOさんと、クレヨンハウス主宰の落合恵子さんとの対談が同封されている。

   それによると、MOMOさん自身、父親から虐待を受けていたという。幼い頃は「自分が悪いことをしたから殴られるんだ」と思っていたが、高校生になると、鉄の棒で殴られるなど暴力がひどくなり、「虐待」と気付いたそう。しかし逃げる術もなく、父親が辛い思いをしたり警察に連れて行かれたりするのが嫌なのもあり、声を上げずにいた。

   そうした記憶と向き合いながら絵本を書くのは苦しかったというが、「過去の虐待の体験を大人になっても引きずっているひとたちへのメッセージになれば」「多くのひとに、虐待されている子どもの気持ちを知ってもらって、虐待が少しでもなくなれば」との思いで、出版を決意した。

   MOMOさんは、

「この絵本を、傷ついたり悩んでいるひとに、そして自分は虐待とは関係ないと思っている大人にも見てほしい」

と訴えかけている。

  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter
コメント・口コミを投稿する
コメント・口コミを入力
ハンドルネーム
コメント・口コミ
   

※誹謗中傷や差別的発言、不愉快にさせるようなコメント・口コミは掲載しない場合があります。
コメント・口コミの掲載基準については、コメント・口コミに関する諸注意をご一読ください。

注目情報PR
追悼

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中