1973年の発売以来、40年以上にわたり「おやつ」として親しまれてきた森永ラムネ。ドリンクのラムネをイメージした緑色のパッケージが印象的だ。「子供の頃食べたな...」「遠足の定番だったな」という人も多いだろうが、実は今、森永ラムネは、大人に人気なのだ。ぶどう糖が約90%配合2015年度には、前年比120%の伸びを記録した。その背景には、近年、インターネットやTVなどでぶどう糖が話題になり、「森永ラムネには90%のぶどう糖が含まれている」との情報が拡散していったことがあげられる。実際、森永ラムネには、ぶどう糖が約90%(含水結晶ぶどう糖として)配合されている。立教大学大学院キリスト教学研究科の廣石望(ひろいし・のぞむ)教授も、「集中したいとき、多くの学生がカフェインを含んだエナジードリンクを常飲していますが、私はラムネをお薦めします」と、公言している。「時間がなくて食事ができないと、試験勉強や論文執筆にも集中力を発揮することができません。3食しっかり食べるのが基本ですが、どうしても食欲がわかないときや食事をとる時間がないなら、せめてラムネを食べてエネルギーを補給するとよいのではないでしょうか」このような解説が示すように、今ラムネを求めているのは受験生や学生だ。勉強中や勉強の合間にブドウ糖を摂取する学生に向け、森永製菓は、2017年8月19日、大手学習塾で行われたセミナーで森永ラムネを配布するなど、キャンペーンも積極的に行っている。自治医科大学医学部、医学博士の間藤卓先生は、「ぶどう糖は、脳のエネルギー源として重要ですが、記憶力や認知機能に関わっているらしいことが過去の研究から明らかになっています。ぶどう糖を適切に摂取することで、脳の機能をアップさせたり効率的に働かせたりすることができるのかもしれません」と、説明する。1本70円という手軽さ、全部食べても108kcalというのも、受験生にはうれしいだろう。
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