2024年 4月 19日 (金)

天才作曲家ビゼーの「アルルの女」組曲 完成するまでの紆余曲折

初めての方ご注目!プロミスなら最短1時間融資でお急ぎでも大丈夫!

ビゼーの作曲意図を忠実に反映した「アルルの女組曲」

   「アルルの女」は、彼が34歳の時、「風車小屋だより」の作者として知られるアルフォンス・ドーデの同名の戯曲の劇付随音楽として書かれた作品です。劇音楽として、ビゼーは全27曲を作曲しましたが、現代では劇音楽としてトータル上演されることは滅多になく、そこから数曲抜粋され、組み合わされたオーケストラ用の「管弦楽組曲」として演奏されることがほとんどです。

   というのも、劇音楽としては、当時の劇場のオーケストラの編成の都合上、少人数のアンサンブルで演奏することになっており、ビゼー自身も、その物足りないサウンドに頭を悩ませたからです。純粋にフル・オーケストラの演奏会用組曲として演奏される「アルルの女組曲」こそ、ビゼーの作曲意図を忠実に反映したものといえるわけです。

   「アルルの女組曲」は2つの組曲があり、第1組曲は「前奏曲」「メヌエット」「アダージエット」「カリヨン(鐘)」の各曲、第2組曲は「パストラール」「間奏曲」「メヌエット」「ファランドール」という曲たちで構成されています。

   フルートとハープの美しい二重奏のメロディーが美しい「メヌエット」や、現地の踊りを思わせる勇ましい「ファランドール」は特に人気が高く、良く取り上げられますが、実は、第2組曲を劇音楽から編曲して編んだのはビゼーではありません。それどころか、3曲目の「メヌエット」は、「アルルの女」劇音楽の中の1曲でさえなく、彼の別のオペラ「美しきパースの娘」の中の1曲なのです。

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中
カス丸

ジェイキャストのマスコットキャラクター

情報を活かす・問題を解き明かす・読者を動かすの3つの「かす」が由来。企業のPRやニュースの取材・編集を行っている。出張取材依頼、大歓迎!