2018年 6月 25日 (月)

松生恒夫先生の「ミントと健康」(後編) 古代から研究されてきた頭痛への効力

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   前回はお腹の諸症状に対するミントの効果をご紹介しましたが、さらに別の部位の症状にもミントが効果的であることがわかっています。

   その症状とは「頭痛」です。ペパーミントの頭痛に対する鎮痛効果は古くから知られており、古代エジプトやローマ、中国の文献などでミントの葉を額に貼る、ミントオイルを塗布する、飲用するといった方法が紹介されています。

   当時は経験則として鎮痛効果を把握しており、頭痛に対して使用していたと思われますが、現在では科学的な検証も進んでいます。

  • ペパーミント
    ペパーミント

頭痛患者41人を対象に実験

   特にドイツでは以前からペパーミントオイルを額に塗布すると、鎮痛剤である「アセトアミノフェン」に匹敵する効果を発揮し頭痛が改善されると報告されており、ペパーミントやメントールの鎮痛効果について研究されてきました。

   1996年にはクリスチャン・アルブレヒト大学で「緊張型頭痛」というストレスが原因で引き起こされる頭痛患者41人を対象にした実験が行われています。

   「アセトアミノフェン」「10%のペパーミントオイル溶液」「ペパーミントオイルを2~3滴たらした水」の3種類を頭痛が起こるたびに服用してもらい、3つすべてを体験してもらったところ、頭痛の頻度や持続時間に関係なく、ペパーミントオイル溶液はアセトアミノフェンと同じ速さ・効力を発揮したのです。

メントールの緊張緩和作用で痛みがやわらぐ

   頭痛には緊張型頭痛のほかに片頭痛、群発頭痛などがありますが、いずれも脳自体が痛んでいるわけではありません。そもそも脳には痛覚がないため、頭皮やその血管、筋肉の緊張などが痛みの発生源になると考えられています。

   では、ペパーミントの鎮痛効果はどのようなメカニズムで発揮されているのでしょうか。

   前回ご紹介した通り、メントールには筋肉の緊張をやわらげ、痛覚を伝達する物質の放出を抑える作用があります。

   腸や頭の痛みを緩和することができるペパーミントのメントール成分ですが、ペパーミントオイル溶液を大量に飲むという摂取方法は中毒の危険性がありおすすめできません。歯磨き粉や口腔(こうこう)洗浄液では体内に吸収される量が微量すぎます。

   手軽に摂取するのであれば、ペパーミントガムなどを噛むのがよいでしょう。ペパーミントの香りでストレスを緩和させるとともに、ガムを噛むことで脳に刺激を与え活性化させることも期待されます。ストレスの多い現代人にとってぴったりのミント摂取方法ではないでしょうか。

松生恒夫(まついけ・つねお)

松生クリニック院長。東京慈恵会医大卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2003年東京都立川市にクリニックを開設。日本内科学会認定医。現在までに4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた第一人者で、地中海式食生活、漢方療法などを診療に取り入れている。著書に『お腹と頭がすっきり! ミント健康法』(廣済堂出版)、『老いない人は何を食べているか』(平凡社新書)、『便秘、冷えにオリーブオイルの腸効果!』(文化出版局)など多数。

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