2024年 4月 23日 (火)

「パルムドール」是枝裕和監督 自らが語る作品のおもしろさ

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   2018年5月19日、世界三大映画祭のひとつである、第71回カンヌ国際映画祭で是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞である「パルムドール」に輝いた。日本人監督の受賞は4人目、是枝監督作品としてはノミネート7回目での快挙達成となる。今回は、カンヌ国際映画祭をはじめとする賞の歴史や、これまで受賞した作品、監督にまつわるエピソードなどさまざまな視点から見た映画の世界をご紹介。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。

「誰も知らない」「そして父になる」を振り返る

   第71回カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールに輝いた是枝監督の著書『映画を撮りながら考えたこと』(著者:是枝裕和 ミシマ社 2592円)。「誰も知らない」「そして父になる」「海街diary」「海よりもまだ深く」など全作品を振り返り、この時代に表現し続ける方法と技術、可能性を熱く語る。

   「映画は百年の歴史をその大河にたたえながら悠々と僕の前を流れていた。(中略)"すべての映画は撮られてしまった"というような言説がまことしやかに語られていた八〇年代に青春期を送った人間にとっては、今自分がつくっているものがはたして本当に映画なのか? という疑いが常にある。しかし、そんな"うしろめたさ"も、そして血のつながりも越えて、素直にその河の一滴になりたいと僕は思ったのだ」(本書より)。

   「絵コンテでつくったデビュー作」「演出と"やらせ"」「テレビドラマでできること、その限界」「これから"撮る"人たちへ」など全10章。

釜山国際映画祭を有名にした立役者

   カンヌ、ベネチア、ベルリン、東京、沖縄...。釜山国際映画祭を世界的に有名にした立役者、キム・ドンホ氏が、世界各国40の会場で出会った映画、映画人、そして映画祭を語り尽くす。『世界のレッドカーペット ~「釜山国際映画祭の父」が見た40の映画祭~』(著者:キム・ドンホ ヨシモトブックス 2571円)では、釜山国際映画祭のディレクターとして、各映画祭のスタッフと豊かな人間関係を築いたキム氏が、いかに有名映画を招致し、釜山を世界的な映画祭にしていったか...という道程を垣間見ることができる。

   紹介されている映画祭は、欧州の映画祭(ドーヴィル・アジア映画祭《フランス》、ラス・パルマス国際映画祭《スペイン》、ロカルノ国際映画祭《スイス》、ロッテルダム国際映画祭《オランダ》、エディンバラ国際映画祭《イギリス》ほか)、アジアの映画祭(台北金馬奨映画祭《台湾》、東京フィルメックス映画祭《日本》、ファジル国際映画祭《イラン》ほか)、米国・オーストラリア・アフリカの映画祭(グアダラハラ国際映画祭《メキシコ》、マラケシュ国際映画祭《モロッコ》ほか)。

   各映画祭で撮影されたスナップ写真・風景写真、各映画祭のデータも満載!

多くの映画人を育てた今村昌平監督の苦闘と軌跡

   1983年の「楢山節考」、1997年の「うなぎ」で、日本人で唯一パルムドールを2度受賞した巨匠・今村昌平監督。「十三人の刺客」三池崇史、「踊る大捜査線」本広克行、「半落ち」佐々部清、「悪人」李相日など、多くの映画人を育てた優れた教育者でもあった。日本映画学校を1975年に創設。今村氏はどのような思いで未来の映画人を育て、どんな講義を行っていたのか...。『教育者・今村昌平』(著者:今村昌平 キネマ旬報社 2376円)では、残された講義テープや当時の文字資料、講義内容などからそのユニークな映画論や教育論に迫る。同校は2011年より国内初の4年制映画専門大学となり、今村氏の思いは彼の亡き後も継承されている。

   「学校をつくる(映画の人材育成と今村昌平の教育実践;農村実習事始;漫才の教室でおこること)」「今村昌平かく語りき(横浜放送映画学院二期生入学式のあいさつ―1976年;講義採録・『にっぽん昆虫記』について―姫田真佐久カメラマン、脚本家長谷部慶次と;講義採録・ドキュメンタリーをつくる ほか)」「学生作品の成果(「朝鮮人BC級戦犯の記録」;「ファザーレス/父なき時代」;「青~Chong」ほか)」。

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