2019年 12月 12日 (木)

武装解除の快楽 小島慶子さんから30代女性への体験的アドバイス

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   VERY10月号の「もしかしてVERY失格!?」で、エッセイストの小島慶子さんが、30代女性の友だち付き合い、生き方についてアドバイスしている。

   光文社の人気ファッション誌。読者層の中心はおしゃれなアラフォー主婦である。 「学生時代からの友人よりも働き始めてから出会った友人の方が多くなりました」という小島さんは46歳。「友人が劇的に増えたのは、40代になってから。30代は、一番友達が減る時期かもしれません」と書き出す。公私に多くの分かれ道が待ち受ける30代は、男も女も大きく変わりうる。旧来の友人をフルイにかけ合う頃合いかもしれない。

「学生時代の友達も、30代に入るとだんだん暮らしぶりや考え方に違いが出てきます。独身か既婚か、子どもがいるかいないかで生活のサイクルが違うし...」

   同じ子持ちでも、保育園か幼稚園か、幼稚園ならお受験コースか否か、友だちの境遇とあれこれ比べて話が合わなくなったり、気まずくなったりする。30代は仕事のキャリアにも差が出るから、実家の支援の有無を含め、子育て環境の違いで溝ができることもあろう。他方、「ママ友社交界」なる新たな付き合いが始まるのも多くはこの時期だ。

「親友に発展することもあるから悪いことばかりじゃないんだけど、中には『...こいつとは同じクラスになっても絶対に仲良くならなかっただろうな!』というタイプもいる」
  • 競い合うばかりの年齢を過ぎれば…
    競い合うばかりの年齢を過ぎれば…

やがて「60点」に満足し...

「私も30代は育児やら自分の病気(不安障害)やらでてんてこ舞いで、ママ友の群れにも入らず、昔の仲間ともどんどん疎遠になってしまいました...いま思うと30代ってそういう時期なのだと思います...みんなバラバラで、他人が気になって、毎日余裕がなくて、未来も不安で...24時間全方位的に油断ならない戦場なのです、30代の日常は」

   小島さんも書くように、VERYからして「バス停やコンビニであっても人目を引くおしゃれなママが良し」といった、高めのハードルを拡散している。

   日常に追われ、疲れ果てると、やがて「育児も仕事も60点で上等!」となるそうだ。

「それでも子どもは育つので、持久力のない人は早めに堕落しておきましょう」

   小島さんはここで本題を外れ、「お受験」なるものへの過度の意識を戒める。お受験塾が大事にしているのは子どもの将来より、よい子を確保したい学校法人と自分たちの商売ではないか、というわけだ。そして結語である。

「そのうち体力も美貌も仕事も子育ても何一つ思い通りにはいかないことに気がつきます。するとあら不思議。いままで競い合うばかりだった隣人たちと、穏やかな労り合いができるようになるではありませんか...常在戦場の毎日よりもずっとハッピーですよね。気にしいさんには、武装解除の快楽をぜひ知ってほしいです」

冨永格(とみなが・ただし)

コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

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