2019年 10月 16日 (水)

「テアニン」含む緑茶の摂取が糖尿病リスク低減の可能性 九州大学とサントリー共同研究

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   昨今、糖尿病疾患が増加している。2017(平成29)年に厚生労働省が発表した「2017年患者調査の概況」によると、糖尿病の人口は過去最多の328万9000人だ。年間医療費は1兆2076億円に上る(厚生労働省「平成25年度国民医療費の概況」)。糖尿病には遺伝的要因の1型と環境要因の2型がある。2型の発症要因は生活習慣で、糖尿病人口増加を防ぐには「発症の予防や早期発見が重要」だ。

   生活習慣を正しつつ、糖尿病にならないよう過ごす。そのヒントが、九州大学久山町研究室とサントリー食品インターナショナルが19年6月に発表した共同研究結果にあった。旨味成分「L-テアニン(以下、テアニン)」を含んだ緑茶を摂取すると、糖尿病リスクの低減に貢献する可能性があると示されたのだ。

  • 久山町健診の様子
    久山町健診の様子
  • 住民の受診率は7割~8割にものぼる
    住民の受診率は7割~8割にものぼる
  • 住民たちに健診当日に結果や発症リスクをフィードバック
    住民たちに健診当日に結果や発症リスクをフィードバック

糖尿病リスク低減の第一歩「『緑茶を飲む』選択肢を持つ」

   J-CASTトレンドは19年9月、福岡県久山町の「ヘルスC&Cセンター」で、緑茶摂取による糖尿病リスク低減の可能性について取材した。九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の二宮利治教授によると、テアニンとはアミノ酸の一種で、緑茶の旨味・甘味成分だ。お茶の中でも、玉露や煎茶は1杯あたり約40ミリグラムと、特に多く含んでいる。

「テアニンは摂取後約1時間で血中濃度がピークになり、12時間で消失します。そのため、空腹状態で受診する健康診断ではテアニン濃度を測ることは難しい。そこでテアニンの代謝物であり、摂取から24時間後も血中に持続する『エチルアミン』濃度を測定することで糖尿病の発症リスクを調べました」(二宮教授)

   約2200人を対象に、住民健診で使用するアンケート項目の「緑茶の摂取」に関する記録と健診時に採血した保存血清を用いて7年間追跡研究した結果、血清エチルアミン濃度が高い人ほど、糖尿病の発症リスク低下が見られたという。

「バランスのよい食事を取り、適度に運動するなど規則正しい生活を送ることが重要です。そのうえで例えば『普段であれば炭酸飲料や嗜好品を飲むところを緑茶に替えてみる』ことが望ましい。日々の中に『緑茶を飲む』選択肢を持つことが、糖尿病リスク低減への第一歩になるのではないでしょうか」(二宮教授)

日本の茶葉特有「テアニン」の可能性追求

   九州大学は1961年から、久山町と相互協力のもと、40歳以上の住民全員に対する疫学調査「久山町研究」を継続して行っている。内容は、住民が受診したその日に検診結果を出して発症リスクを伝える毎年の健診、「剖検」による正確な死因の究明、そして追跡率99%以上を誇る追跡調査だ。約60年にわたり、およそ1万人の健康情報を蓄積してきた。

   緑茶飲料「伊右衛門」を販売するサントリー食品インターナショナルは、今回、九州大学と共同で研究にあたった背景について、

「後継者不足などで高級緑茶茶葉の手配や入手に苦心している茶農家を元気にして茶葉生産のモチベーションを喚起することが、国内の茶農家の『源流調達』にこだわる伊右衛門の使命。そのために、緑茶に含まれる成分の中でも、伊右衛門が特徴としてもつ、日本の茶葉特有のテアニンに可能性がないかと考え、生活習慣病予防の研究と啓発に長年取り組む九州大学の久山町研究室のドアを叩いた」

と発表資料で明かしている。

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