2019年 10月 19日 (土)

「デジタル・ガバメント」日本とエストニアの差はどこに

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■『e-エストニア デジタル・ガバナンスの最前線』(編著・e-Governance Academy、日経BP)

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   公務員のマイナンバーカードの一斉取得が始まるらしい。将来のデジタル・ガバメントにおける公的個人認証基盤なんだから、それを推進する公務員が率先して取得するのは当然と言えば当然だが、今一つ、メリットが感じられなかった。そんな中、世界最先端のデジタル・ガバメントをいち早く構築したエストニアの今は、かなり衝撃である。

納税申告3~5分、会社設立は3時間でできる

   行政サービスはEesti.eeというウェブサイト(日本のマイナポータルに相当)に一元化されており、行政サービスの99%がオンラインで利用できる。実際に、納税申告は95%がオンラインで行われ、手続きは3~5分で完了し、5日後には還付金が入金される。また、公的個人認証の利用で、銀行取引の99.8%がオンラインで行われている。

   これらにより、役所や税務署に行列ができることはなくなり、銀行に至っては、「『銀行に行く』という表現は死後になりつつある」ようだ。こうなると銀行店舗や役所の窓口も全く変わる。月末の銀行窓口の行列や、2月の確定申告のためのプレハブ小屋は、過去の風景なのだ。また、期日前投票がネット投票に移行しており、投票の30%以上がオンラインになっている。世界トップレベルのビジネス環境を造るというのが我が国政府の目標の一つにあったと思うが、エストニアは企業登録に18分、3時間で会社が設立できる。別の機会に聞いたところでは、行政サービスにかかる時間コストはGDP(国内総生産)の2%に相当し、エストニア政府はデジタル・ガバメントによりGDP2%、国防予算相当額を節約していると胸を張る。

   30年前はソ連だった国が、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた国を一足飛びに追い抜き、いかにしてデジタル・ガバメントを実現したのか。我々は、往々にして、人口130万人という小国だからできたんだと、逃げたくなる。正しい面もあろうと思うが、先進国の政府の機能は共通化しており、総合的な行政サービスを実現している以上、サイバーセキュリティー対策を含め、対象人口の大小が技術的な制約にはならないはずである。この点、本書では、「先見性のある政府、積極的なICTセクター、流行に敏感でテクノロジーに精通した国民という三者の協力関係が、このサクセスストーリーを支えている」としている。

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