2021年 3月 8日 (月)

金融政策についての理論から実践までのベーシック・テキスト

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■『金融政策 第2版』(著・小林照義 中央経済社)

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   単純に金利を上げたり下げたりする時代から、金融政策が離れてしまってからたいぶ時が経つ。また、中央銀行が金融政策を実践する際に、どのような制度的枠組みを前提に実践をしているのか、学生を含む一般向けにわかりやすい説明を目にする機会は少ない。

金融政策論議の欠落を埋める良書

   本書『金融政策』は、そのような欠落を埋める良書である。通貨の役割・意味から、伝統的な金融政策についての解説から書を書き起こし、非伝統的金融政策、さらにはプルーデンス政策との関係まで、よくぞこのサイズの書籍にコンパクトにまとめたものだと思う。

   ジャーナリストや金融機関のエコノミストによる類書とは異なり、経済学者の書いたものだけあって、ベクトル自己回帰(VAR)の手法を用いた金融政策の波及経路の分析(pp108-110)や、テーラールールの解説(pp 135-137)に紙面を割いている一方、今般のコロナ禍のなかで威力を発揮した、先進国中銀間のドル融通の枠組みについても紹介(p97, p173)するなど、実務家が押さえておくべきポイントも外していない。金融政策の実践上の枠組みである「コリドーシステム」についても要領のよい説明を取り入れている(pp85-91)。

   本書の類書をあげると、白川前日銀総裁が総裁になる以前に書いた『現代の金融政策-理論と実践』(2008)をあげることになるが、学生、金融実務家、ジャーナリスト共通の入門書として(執筆時期の都合上より新しい事象を扱っていることもあるが)、まずは本書を読むことをすすめたい。

経済官庁 Repugnant Conclusion

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