2024年 4月 25日 (木)

「ねとらぼ」副編集長に聞きました ヒット記事連発を支える「哲学」(後編)

   アイティメディア(東京都港区)が運営する「ねとらぼ」副編集長・池谷勇人さんに、ヒット記事を生み出す秘訣を語ってもらう。前編では「読者に喜ばれる記事を作り続けるために重視しているネタの選び方」「サイト誕生からの歩み」にまつわる裏話を聞いた。

   今回は後編。記事タイトルや本文に込めている具体的なこだわりや、約22万6000フォロワーを抱える「ねとらぼ公式ツイッターアカウント」の運用について、興味深い話となった。

  • アイティメディア本社にて、「ねとらぼ」副編集長・池谷勇人さん
    アイティメディア本社にて、「ねとらぼ」副編集長・池谷勇人さん
  • 記事で「えらそうなことを書けば、必ず自分たちに跳ね返ってくる」と語った
    記事で「えらそうなことを書けば、必ず自分たちに跳ね返ってくる」と語った
  • アイティメディア本社にて、「ねとらぼ」副編集長・池谷勇人さん
  • 記事で「えらそうなことを書けば、必ず自分たちに跳ね返ってくる」と語った

意識高い系、上から目線の記事は「時代遅れ」

   どんな記事を手がけるにしても、まず池谷さんが重要視しているポイントは「下から目線」だ。もっとも、卑屈になったり、自分たちの記事を卑下したりするわけではない。

「いわゆる意識高い系、上から目線の『私が教えてやろう』的な記事は時代遅れだと考えています。えらそうなことを書けば、必ず自分たちに跳ね返ってきますから。記事内に過度、あるいは高圧的な『ライターの個人的意見』が見受けられたときは、編集で削っています」

   ただ「事実100%」で出来ている記事は、読者と距離が開いてしまう。読者に親しみを感じてもらい、さらに「身内」になってもらうブランディング戦略も欠かせない。

   「事実:ライターの主観」を、8:2ないしは9:1のバランスに調整。そのうえで、記事の最初と真ん中にライターの主観、つまり取り扱うモノ・コトに対して書き手が感じた疑問やワクワクといった感想を入れ、イジリポイントとする。

「タイトルは、記事内容がわかりやすく伝わることが大前提ですが、読者の関心を集められる強い単語『パワーワード』を並べて掛け合わせるのが、ねとらぼ流です。自分がよく好んで使うのは『爆誕』ですね。あとは、取材コメントが記事に載っているよ、渦中の人に話を聞いたよ、と示せる一言も強いのですが、タイトルに取ると言葉のキレやテンポが悪くなることが多く、悩みどころです(笑)」(池谷さん)

   こうした「タイトルに入れられなかった要素」をカバーするのが、ツイッターだ。

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