ワクチン10月過ぎたら自治体で打てない? 板橋区で供給減、渋谷区は会場縮小

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   新型コロナワクチン接種が急ピッチで進んでいる。首相官邸公式サイトによると、2回接種完了率は2021年9月10日時点で国内全体の49.8%。また、61.9%が1回目を打ち終えている

   一方で、接種体制を今後縮小すると表明する自治体が出てきた。まだ人口の半数が2回目接種を終えていないのに10月以降どうなるのか、心配だ。

  • ワクチンが予約できない、という事態にはならないか(写真はイメージ)
    ワクチンが予約できない、という事態にはならないか(写真はイメージ)
  • ワクチンが予約できない、という事態にはならないか(写真はイメージ)

「結果的に接種を受けられなくなる可能性」

   東京都板橋区では、区内の医療機関や集団接種会場で米ファイザー社製ワクチンが使われてきた。ところが、区公式サイトの「ワクチン供給の見通しについて」というページ(最終更新8月27日付)によると、政府から区に配分されている米ファイザー社製ワクチンの供給量が急減しているという。6月までの配分量と比べると7月後半以降は50%、9月以降は85%程度に減少する。

   10月上旬配送分までで、接種対象区民の75.5%分のファイザー製が入荷されるが、10月中旬以降に「板橋区に配分される見込みはありません」とのことだ。ファイザー製の最終予約は9月15日に各医療機関で再開する。

   未接種者が区内で接種を待ち続けても「接種を受ける時期が遅くなるか、結果的に接種を受けられなくなる可能性があります」とし、勤務・通学先での職域接種や、都が運営の集団接種会場を利用するよう呼びかけている。

   ただ、米モデルナ社製ワクチンを使用している集団接種会場と、英アストラゼネカ社製のワクチンを使用する医療機関での接種は、ひき続き予約を受け付ける予定だ。

   東京・渋谷区も、10月以降は接種会場や接種枠を縮小すると9月9日付に発表。9月までは予約枠に余裕があるという。「接種をご希望の場合は9月中に2回分の接種が終わるようにご予約をお願いします」。

   奈良県天理市は9月10日現在、「10月からは集団接種を縮小する予定」と市サイト上で説明。希望者には1回目接種を9月中に行うよう呼びかけている。また、一般診療やインフルエンザ予防接種を理由に、新型コロナワクチンの個別接種を行う医療機関も減少するという。「ご自身と大切な方を守るため、まだの方は、9月中の接種を予約ください」とのこと。

   愛知県田原市も8月27日、11月以降は集団接種の会場を「減少させていく予定」とサイト上で説明。接種希望者は10月末〜11月初めまでに2回接種を完了するよう国が推奨していることに触れ、「接種を希望する方は、なるべく早く2回の接種を完了しましょう」としている。

「12歳以上の対象人口の9割」は接種できる量

   他方、ワクチンは十分な量が用意されると河野太郎ワクチン担当相はアピールしている。河野氏はファイザー社と調整し、9月27日の週と10月4日の週に配送される「第15クール」の調整枠(自治体に割り当てる接種枠)が増えたと9月8日の会見で説明。当初第14、15クールの調整枠は計300万回分を予定していたが、今回の調整により、416万回分を配分するという。

   これまで大規模接種会場や職域接種に配分してきたモデルナ社製の量も加えると、「全国の12歳以上の対象人口の9割の方に打てるだけの量」になると説明した。

   一部には接種率100%という努力目標を掲げている都道府県もあるとのことだが、「そこにはさすがに届きません」としている。

「予約がなかなか取れないという自治体がございますが、ワクチンの量は、全体の9割をカバーするのに十分な量が順次、都道府県に配られていきますので、都道府県は市区町村としっかり調整していただいて、効果的なワクチン接種を進めていただきたい」

   秋以降はどこで打てるか、現段階で分かっている場所を調べた。自衛隊が東京・大阪で運営する大規模接種センターは11月30日までの運営を発表している。現状、対象年齢は「18歳から39歳」。愛知県の大規模集団接種会場も11月下旬まで接種を実施する。前出の田原市は、市内の一部医療機関での個別接種を11月にも実施予定だとしている。

   なお厚生労働省は接種を行う期間を「令和4年(2022年)2月末までの予定」とし、「これからもワクチンの供給や接種が進んでいきますので、今の時点で接種の予約が取れない方も、今後、順次接種いただくことができます」とサイト上で説明している。

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