アユ釣りで水難事故続出なぜ 転べば川に流される恐れ、救命胴衣なしは危険

初めての方ご注目!プロミスなら最短1時間融資でお急ぎでも大丈夫!

   川で行うアユ釣りは、毎年6月〜9月がシーズンだ。

   実はこの半月あまり、アユ釣りをしていた人が川に流される事故が全国で続発している。事故は今年に限らない。原因を追った。

  • 川の事故に気をつけて(写真はイメージ)
    川の事故に気をつけて(写真はイメージ)
  • 川の事故に気をつけて(写真はイメージ)

川の中に入って釣る

   静岡県・愛知県を中心に釣り具を販売する「イシグロ」公式サイトによると、アユの代表的な釣り方は、「友釣り」という方法だ。ホンダの公式サイト内にある「Honda釣り倶楽部」によると、友釣りでは「川の中に立ち込んで釣ることが多い」。水流の抵抗を減らせるタイツや、滑りにくい靴などが使われる。

    2021年9月12日付の北日本放送によると、この日富山県砺波市の庄川でアユ釣りをしていた男性が川に流され、死亡した。同日付のFBC福井放送は、福井県勝山市の九頭竜川でもアユ釣りの男性が流されて亡くなったと報じている。

   9月13日には山梨県大月市賑岡町の桂川でアユ釣りをしていたとみられる男性が川に流され、心肺停止状態で発見された。同日付のFNNプラムオンラインが報じている。当時は川の水量は普段より多く、流れが速かったという。

   8月終盤から9月にかけて、

8月28日 岐阜県白川町の白川でアユ釣りの男性が溺れ死亡(30日付中京テレビNEWS)
8月29日 岐阜県郡上市の長良川でアユ釣りをしていた男性が下流の川底に沈んでいるのを発見、その後死亡を確認(30日付中京テレビNEWS)
8月30日 福井県永平寺町の九頭竜川でアユ釣りの男性1人が流され死亡
8月31日 秋田県北秋田市桂瀬の阿仁川でアユ釣りの男性が流され死亡(同日付産経新聞電子版)
9月1日 茨城県大子町大子の久慈川でアユ釣りの男性が流され死亡(2日付茨城新聞クロスアイ)

と、死亡事故は少なくとも10件以上報じられている。

   2019年、20年も、分かった範囲では、

2019年
8月10日 和歌山県白浜町の日置川でアユ釣りをしていた男性が流され死亡(同日付・日本経済新聞電子版)
9月7日 栃木県那須鳥山市の荒川でアユ釣りの男性が流され溺死(同月9日付・朝日新聞デジタル)
2020年
5月26日 和歌山県白浜町の日置川でアユ釣りの男性が川に流され死亡(同月27日付・紀伊民報電子版)
10月11日 高知県東洋町の野根川でアユ釣りの男性が溺れ、病院で死亡を確認(同月12日付・高知さんさんテレビ)

と、決して少なくない件数の事故が起きている。

「魚釣り=ライフジャケット着用」

   水難学会会長の斎藤秀俊氏が、21年9月3日付「アユ釣りの水難事故 9月は川の深みに注意したい」という記事で、詳しく解説している。

   アユ釣りに適したポイントは「人の太腿から胸」程度の水深や、急に川底が深くなる場所。こうしたポイントに近づくため釣り人は川に入水する。この「急な深み」で転倒したりすると水難事故につながるのだ。

   仮に流速毎秒1メートルの川で滑って転倒しても、しりもちをつくことのできる程度の深さなら「そうそう流されることはありません」。ただ、しりもちがつけないほどの深さで転倒すると、すぐに流されるという。膝から腰までの深さだと、場合によっては「流されてしまいます」。また腰から上の深さまでくると、「確実に」流される。

   斎藤氏はアユ釣り中の救命胴衣の着用を推奨している。着装していれば呼吸は楽になり、救助を待ちながら「助けてくれ」と声を出すこともできるからだ。

   岐阜県公式サイトは水難事故に関するページで、「『魚釣りをする際にライフジャケットを着用するべきか否か』を議論する余地はありません。『魚釣り=ライフジャケット着用』とご理解ください」と強く注意喚起している。

   2021年7月6日付読売新聞オンラインによると、福井県警は釣りに行くときには「いつ、どこへ釣りに行くかを事前に周囲に伝える」「単独を避け、仲間と一緒に行く」という点に注意するよう呼びかけている。

姉妹サイト