2024年 5月 3日 (金)

「40キロ痩せても幸せになれなかった話」作者直伝 心を病まないためのマインド

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【作リエイターズアトリエ(通称「作リエ」)】テレビアニメ「ポプテピピック」のゲームパートを描き、映像制作やイベント主催など、フリーランスでマルチに活躍する山下諒さん。隔週水曜夜、各分野で活躍中のゲストクリエイターや美大生を招いて、「創作」をテーマに、ツイッターの「スペース」や「オンラインセミナー」で語らう企画が「作リエ」だ。
連載では、スペースで出た話題から、エッセンスを抽出してお届けする。
未来のゲストは、今この記事を読んでいるあなたかも?

   第3回のゲストは、山下さんと同じ東京造形大学出身で、イラストレーター・マンガ家のやじまりさん。テーマは「心を病まない漫画家・イラストレーターのマインド」だ。スペースアーカイブはこちらから。

  • (左から)やじまりさん、山下諒さん
    (左から)やじまりさん、山下諒さん
  • (左から)やじまりさん、山下諒さん

嫌なことからは、遠慮なく逃げて

   コンテンツ企画・制作会社のチョコレイト(東京都渋谷区)に勤める、やじまりさん。2022年8月8日に単行本が発売されたエッセイマンガ「40キロ痩せても幸せになれなかった話」は、LINEマンガで配信後、150万ビューを獲得した話題作だ。創作時は「自分との対話、対峙」を繰り返していた。誰にも言えない思いや孤独感を抱えており、SNSを見たり、発信したりするのが難しい時期があったそうだ。

   やじまりさんは、自分の心を守るためにSNSから離れることにした。それで周囲との関わりが絶えたわけではなく、「身近な人や、知り合いの作家から声をかけてもらったときに、人に恵まれていたのだ」と気付ける余地ができたそうだ。「40キロ痩せても幸せになれなかった話」がLINEマンガで配信され、読者からコメントが寄せられた際には、「マンガは一方的に投げかけるものではなく、コミュニケーションだった」と思い出した。

   やじまりさんは、SNSにもマンガを投稿している。過去に、作品へ否定的なコメントが寄せられたとき、「私は図太いから大丈夫だと思っていても、数が多いと次第に『おかしいのは私なのではないか』と落ち込んでしまった」と明かし、SNSから距離を取ったという。マンガ家としてSNS上で活動ができない負い目に苛まれた経験もあるが、「自分の作品や、ものづくりを好きでい続けること」を優先してきた。

やじまりさん「今、一時的に作ることをやめたとしても、10年、20年後によい作品を生み出せるかもしれない。創作を嫌いになったり、心を病んだりしないのが一番。嫌なことからは、遠慮なく逃げていいんです」
山下さん「『つらい状況に置かれていることが当たり前』だと思ってはいけないよね」

   心ない言葉に傷つかないよう注意を払うと同時に、やじまりさんは「人の悪口を言って、自分が満足するだけの、独りよがりの作品を手がけない」ことをポリシーにしている。

やじまりさん「創作物は、どこかで誰かを傷つけていると思っています。それでも、自分の中で『ここまでやってはいけない』ラインを決め、守っていかなければなと」
山下さん「作品に怒りや悲しみをそのままぶつけるんじゃなく、感情の取捨選択をするのが大事だなと思う。一度冷静に俯瞰(ふかん)して、特定の人間に対する悪口になっていないか見ないといけないよね」
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