2024年 5月 3日 (金)

安倍元首相「国葬」2.5億円で済まない? 「別会計」警備費その14倍とも

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   安倍晋三元首相の国葬が2022年9月27日に行われる。費用は2億4940万円とされ、政府の一般予備費から支出される。

   国葬は吉田茂元首相に次いで戦後2例目。今回は海外から1000人以上が訪れ、6400人が参列すると言われている。実際にかかる費用は、公称金額をはるかに上回るという指摘もある。

  • 会場となる日本武道館
    会場となる日本武道館
  • 会場となる日本武道館

中曽根氏には9600万円

   今回の費用の内訳は、会場の日本武道館(東京)の設営費が約2億1000万円、借り上げ料が約3000万円とされ、全額が国費だ。

   「女性自身」が8月25日に配信した記事によると、吉田元首相の国葬費用は1804万円だった。現在の価値に換算するとおよそ7000万円。安倍元首相の国葬費用の約3分の1程度だった。

   東京新聞(2020年9月30日)によると、その後の首相では、佐藤栄作氏(1975年)が内閣・自民党と国民有志の共催による「国民葬」。

   大平正芳氏(80年)以降は、内閣・自民党合同葬が行われるようになった。岸信介、福田赳夫、小渕恵三、鈴木善幸、橋本龍太郎、宮沢喜一の各氏が合同葬の形式で行われてきた。

   費用は内閣と自民党の折半で、橋本氏(2006年)の合同葬に7070万円、宮沢氏(07年)には7696万円が政府から支出されている。20年の中曽根氏の場合、約2000万円が上積みされ、約9600万円が支出された。

   安倍氏の場合、近年の首相葬儀のおよそ2.5~3.5倍ほどの国費が投入されることになる。

「大喪の礼」は警備費用24億円

   葬儀で多額のコストがかかるのは「花代」だという。「女性自身」は都内の生花店に取材し、「菊の花だけで2000万円」と推定している。

   同誌によれば、カウントされていない巨額経費もある。警備費用だ。

   「昭和天皇の大喪の礼では警察官3万2000人が動員され、当時の警備費用は24億円でした。19年10月に行われた今上天皇の即位礼正殿の儀では、警察官約2万6000人が動員され、警備関係費用としては28億5000万円がかかりました。安倍元首相は演説中の銃撃によって亡くなったこともあり、これまで以上に警備が強化されることが予想されます。通常よりも人員を増やすとなれば、警備費用は35億円ほどに増えてもおかしくないでしょう」(社会部記者)との見方を伝える。

   つまり、2億5000万円に約35億円をプラスしたのが、今回の真のコストだというわけだ。弔問に訪れる要人の旅費や滞在費については、日本側の負担はないという。

国葬「反対」が増える

   戦前は「国葬令」という勅令が国葬の根拠となっていた。しかし現行憲法の施行に伴い失効した。つまり、今は国葬を直接定めた法律が存在しないため、今回の国葬については国民の間でも賛否が分かれている。

   NHKの7月の世論調査では、政府が「国葬」を行う方針について、「評価する」が49%、「評価しない」が38%だったが、8月の調査では「評価する」が36%、「評価しない」が50%と、「評価しない」が上回った。10ポイント以上の差がついている。この傾向は、他の大手メディアの世論調査でも概ね共通しており、ネットアンケートなどではさらに差が開く場合が多い。

   時事通信によると、松野博一官房長官は26日の記者会見で、安倍晋三元首相の国葬が行われる9月27日に、過去の首相経験者の葬儀で行われてきた「弔意表明」を各府省に求める閣議了解を見送る方針を明らかにした。国葬をめぐる世論の賛否が割れていることを踏まえたという。

   ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一さんは、「プレジデント」(2022年9月2日号)で、「首相経験者は一律で『国民葬』にしたらいいと思っている。また、国費を使うのではなく、今ならクラウドファンディングで国民から寄付を募ればいい」と語っている。

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