「攻殻機動隊」を能とVRで表現 「自在化コレクション」の未来的な舞台

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   JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクトの研究成果発表会「自在化コレクション」が2022年11月4日、「IHIステージアラウンド東京」(東京都江東区)で開催された。

   自在化コレクションとは、「JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト」が5年にわたって研究に取り組んできた最先端の科学技術に芸術を融合させて、その成果を披露するイベントだ。今回、士郎正宗さん作のSF漫画「攻殻機動隊」を、日本の伝統芸能である能とVRで表現する舞台が披露された。

  • 「VR能 攻殻機動隊 ショートバージョン」
    「VR能 攻殻機動隊 ショートバージョン」
  • 「第3・4腕、第6の指」
    「第3・4腕、第6の指」
  • 左・稲見昌彦氏、右・奥秀太郎氏
    左・稲見昌彦氏、右・奥秀太郎氏
  • 「VR能 攻殻機動隊 ショートバージョン」
  • 「第3・4腕、第6の指」
  • 左・稲見昌彦氏、右・奥秀太郎氏

専用ゴーグルなしでVR体験できる

    「JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト」では、人間がロボットや人工知能(AI)などと「人機一体」となり、自己主体感を保持したまま自在に行動することを支援する「自在化技術」の開発と、自在化技術を活用した「自在化身体」がもたらす認知心理および神経機構の解析をテーマに、先駆的な研究をしている。

    「自在化コレクション」最初の演目は、「VR能 攻殻機動隊 ショートバージョン」だ。厳かな雰囲気に鳴り響くお囃子や真っ暗な舞台上に、人が突如現れたり、消えたりし、時には分身や合体した。記者の目には、実在の演者なのかバーチャルの演者なのか見分けがつかなかった。これらの不思議な演出は「ゴーストグラム」といい、専用のゴーグルを使うことなくVR体験ができる技術によって実現している。

   ゴーストグラムは、本公演を率いている東京大学総長特任補佐・教授の稲見昌彦氏も参加する企業「EVISION」(東京都目黒区)の奥秀太郎氏、明治大学総合数理学部教授の福地健太郎氏が共同開発した舞台演出技法だ。舞台上の人物を消したり再び登場させたりする古典的演出技法に、現代の映像技術を組み合わせて構成されている。稲見教授はこの技術を「ゴーストグラム」と命名し、舞台上のバーチャルリアリティとして位置づけた。

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