「ワンピースカードゲーム」転売対策 客にハサミで「切れ込み」入れてもらって

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   さまざまな「トレーディングカードゲーム」(TCG)で、高額転売が横行している。 「ONE PIECE (ワンピース)カードゲーム」「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム」「ポケモンカードゲーム」がその代表例だ。

   ただ、独自の対策を講じる取扱店をツイッター上でたびたび見かける。エンターテイメントショップ「新星堂」の「mozo ワンダーシティ店」(名古屋市)では、ワンピースカードゲームの販売について新たな転売対策を設けた。カードパックの販売時、パックの上部に客自身の手で「切れ込み」を入れさせるのだ。

  • 購入時には切れ込みを入れて (写真は「新星堂mozo ワンダーシティ店」の提供)
    購入時には切れ込みを入れて (写真は「新星堂mozo ワンダーシティ店」の提供)
  • 購入時には切れ込みを入れて (写真は「新星堂mozo ワンダーシティ店」の提供)

切れ込みか「その場で開封」

   人気漫画をテーマにしたワンピースカードゲームでは、カードがランダムに封入される「ブースターパック」を中心に高額転売が続いている。

   「新星堂mozo ワンダーシティ店」は2022年11月12日、ブースターパック「ROMANCE DAWN」が入荷したとツイッター上で説明。添付画像にある案内書きの中で「購入時にお客様自身でパックにハサミを使用して半分ほど切れ込みを入れて頂くか、その場で開封をお願い致します」と呼びかけた。

   同店の販売スタッフに取材した。以前からも、TCG商品では何度か転売対策を行ってきた。例えば「遊戯王」カードでは、パックが入った箱は新品の場合「シュリンク」という袋で包まれている。同店では遊戯王カードを箱ごと売り出すときに、このシュリンクを外して販売し、転売品としての価値を下げるとの対策を実施した。

   しかしワンピースカードゲームのブースターパックの箱は、シュリンクは付属しない。そこで、転売時の価値を損なわせるために、パック自体に切れ込みを入れる策を思いついた。店舗スタッフが切れ込みを入れると来店客にとっては抵抗感があると予想されるため、客自身にはハサミ使用してもらう方式とした。

   ただ今後は、店内混雑時に限り、特に客から申し出がなければスタッフの方で切れ込み作業を行う可能性があるという。その旨は12日以降に改訂した新たな案内書きの中でも説明している。

身分証確認する場合も

   「新星堂mozo ワンダーシティ店」の11月12日付ツイートでは「商品として販売している物にハサミで切れ込みを入れるのはどうなのか...など直前までとても悩みました」とも添えてある。ただ、これまでもすでにシュリンクを外す作業ではハサミやカッターを用いていることや、本当に欲しい人に定価でカードを届けたいとの思いから、実施に至ったとのことだ。

   ツイートによれば、他店のアイデアを参考に今回の策を採用したという。取材に対し、同店の担当者は、自身で見ている限りカードゲームにこうした独自の転売対策を行う店は増えている印象だと話した。

   なお、今回の転売対策はこの「切れ込み」策だけではない。11月12日に投稿した告知用紙の画像によると、パックの購入可能数は1グループあたり8個まで。同一グループ内で重複しての購入が発覚した場合は、以後販売を拒否するという。

   さらに販売時には身分証明証の確認を行い、氏名や住所などを控えておく場合があると説明。「防犯カメラにて録画を行っているので、同一グループ様の確認はすぐ行えます」とまで書き添える徹底ぶりだ。

   今後については転売抑制のため、店舗名を記入したラベルをパックに貼り付けて販売するという策を検討していると、先述の担当者は話した。

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