「演歌と結婚しています」 ジェロが語った熱き思い

   日本初の黒人演歌歌手として注目を集めるジェロさんが2008年6月24日、東京・有楽町の外国特派員協会で会見し、演歌に対する熱い思いを語った。スピーチと質疑応答はすべて英語。「演歌と結婚しています」という発言も飛び出して会場を沸かせた。

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「日本語はわからなくても、演歌のメロディーが好きだった」


「紅白に出たい」と語るジェロさん

   ジェロさんは会見翌日の6月25日に、初めてのアルバムを発売する。演歌の名曲をカバーしたその名も「カバーズ」。敬愛してやまない五木ひろしさんの楽曲「夜空」や、二村定一、フランク永井が歌い大ヒットした「君恋し」といった7曲を、R&B風やジャズ風にアレンジしている。ジェロさんが出演している缶コーヒー「キリンファイア カフェゼロ」のCMでおなじみの「氷雨」も入っている。

   選曲のポイントについては、

「ブログでファンからのアンケートを募ったほか、スタッフが選んだものもある」

という。また、自身が「どうしても歌いたい」と主張して組み込んだのは、第一印象が良かったという「本牧メルヘン」と「君恋し」だと明かした。

   米・ピッツバーグで生まれたジェロさんは、日本人で演歌が好きな祖母の影響を受けて、幼い頃から演歌を聴いて育ったというのは有名な話だ。

「日本語はわからなくても、演歌のメロディーが好きだった。祖母らのように自分も演歌を歌えるようになりたい」

と思い、演歌歌手を目指すようになった。最初は歌詞の意味がわからず、ものまねをするように歌っていたが、ひらがなやカタカナの勉強をして歌詞の意味を知ることで、演歌への思いをさらに深めていった。

「生歌」に涙を浮かべる人も


こぶしをきかせ「海雪」を熱唱した。

   そんな演歌をジェロさんは英語で「Japanese blues」と表現する。そのイメージは、

「着物の女性とスーツの男性が歌うかっこいいもの」

だという。

   一方、ジェロさんというと、だぼだぼのTシャツに、キャップをかぶるというヒップホップ系のファッションがトレードマーク。演歌歌手にはない独特なスタイルだが、その点について記者から指摘されると、

「自分の好きな服を着て、演歌を歌うのがアイデンティティー」
「スーツを着て歌ったら、パロディーになってしまう」

と、きっぱりと答えていた。

   デビューから4か月経ったが、今も、

「全国のCDショップやショッピングモールでプロモーションに飛び回っている」

と、地道な活動を続けている。「朝6時に起きて夜11時までは帰れない」「休みは月に1日程度」という毎日に、「ストレスもあるけど、慣れた」ようだ。

   まずは初アルバムのセールスを伸ばしたいところだが、「将来的には歌詞も書いてみたい」「俳優もやってみたい」と、意欲を語った。

   恋人や結婚についての質問も出たが、

「今は演歌と結婚しています」

と、演歌歌手らしい応答で、記者たちを喜ばせていた。

   会場では、新曲「氷雨」とデビュー曲「海雪」を披露。聴衆は熱心に聴き入り、涙を浮かべる人も見られた。

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