大友啓史、尾上松也ら「日本文化」大いに語る 「るろうに剣心」や歌舞伎のエピソードも

   東京オリンピック・パラリンピックが近づいてきた。東京都とアーツカウンシル東京は2018年から、2020年の東京を文化の面から盛り上げる祭典「Tokyo Tokyo FESTIVAL(以下、TTF)」を実施中で、多様な文化プログラムを展開している。

   2019年10月30日、TTFのプロモーションイベントが東京・有楽町駅前で行われ、歌舞伎俳優の尾上松也さん、日本文学者のロバート・キャンベルさん、映画監督の大友啓史さんが日本文化や歌舞伎についてトークセッションを行った。

キャンベルさん(左)、松也さん(中)、大友さん(右)
笑顔の尾上松也さん
大友監督
キャンベルさん
オープニングアクトでは盆栽と三味線のパフォーマンス
盆栽師の平尾成志さん
THE SYAMISENISTの寂空さん(左)とYUJIさん(右)
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刀を差すだけで俳優の振る舞いが変化する

   「江戸と東京の文化の違い」をテーマにしたトークの中で、大友さんは幕末を描いたNHK大河ドラマ「龍馬伝」(2010年放送)、明治初期を舞台にした映画「るろうに剣心」シリーズ撮影時のエピソードを語った。

   大友さんによると武士がいた時代と現代との大きな違いは、刀の存在だ。大友さんは撮影の際、俳優に実際に日本刀でわらを切ってもらうそうだ。

   鉄でできた刀は大変重く、振ろうとすると切れない。重さを腰で支え、重力に任せて刀を「落とす」ことでわらを切るのだ。それを体験した俳優たちは、あっという間に重心が低くなり、すり足で歩き始める、と大友さん。「人を殺傷できる道具を持っている」という自覚が生まれ、ピリピリしたムードが漂ってくるという。

   また、刀を腰に差した瞬間、それまで右側通行だった俳優たちが、刀同士がぶつからないように左側を歩くようになったと明かした。

   刀一本で俳優の振る舞いが変化したことから、明治初期に廃刀令で刀が廃止されたことは、文化に大きな変化をもたらしたのではないかと大友さんは推測した。

歌舞伎に匹敵する演劇は西洋にはない

   歌舞伎トークでは、松也さんが「舞台作品では大げさな演技をする場合が多いが、歌舞伎はそれが特に顕著な演劇」だと話した。例えば、主人公が切腹して死ぬシーンに、歌舞伎では30分を費やす。体を使ってオーバーに表現する必要がある点で、松也さんは無声映画の俳優にシンパシーを感じているそうだ。

   キャンベルさんによると西洋に歌舞伎に匹敵する演劇は無い。パントマイムや17世紀イタリアの「コメディア・デラルテ」のように仕草で表現する芸能はあるが、歌舞伎ほど洗練されていかなかったという。

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