「ミロ」販売休止で早くも転売品出回る ならば栄養価高い「ココア飲料」いかが

   ネスレ日本が麦芽飲料「ミロ」3製品の販売休止を2020年12月8日に発表した。需要急増が原因だが、愛飲者からは悲しみの声がツイッターに上がっている。

   すでにインターネット上では転売が起きており、眉をひそめる向きも。そんな中「ミロ」の代用品とされる製品が浮上してきた。

女性にも人気の「ミロ」。その代わりになるものはあるか(写真はイメージ)
牛乳で飲むココアと比べた表(編集部作成)
セノビーと比べた表(編集部作成)
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ビタミン類の多さ譲るも鉄の量では負けず

   ココア味とされる「ミロ」。販売休止により、ツイッターの一部で注目を集めているのは森永製菓の「牛乳で飲むココア」だ。12月8日には、同製品を「ミロ」の代わりと期待するツイートが20件以上みられた。どちらも栄養機能食品であり、また牛乳と合わせての飲用がおいしい飲み方としてパッケージに書かれているなど、いくつか共通点が存在する。

   両商品の公式サイトに掲載されている栄養成分表示を参考に、1杯あたりの比較を画像化した(画像2枚目)。1日あたりの推奨量や目標量は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)から引用している。それによれば、エネルギー量やたんぱく質といった主要な栄養素では、いずれもミロの方が高い。

   カルシウム・鉄・ビタミンDは「牛乳で飲むココア」の方が多い。一方でビタミンB2とナイアシンは「ミロ」に軍配が上がる。またビタミンAとビタミンB1の2つは「牛乳で飲むココア」の栄養成分表示にしか存在せず、ビタミンB6とB12、ビタミンCの3つは「ミロ」にしかなかった。

転売屋から買うぐらいなら?

   他にツイッターユーザーらが挙げている代用品として、同じく森永製菓が出している栄養機能性食品のココア「セノビー」もある。こちらでも比較表を作った(画像3枚目)が、大まかな栄養は「牛乳で飲むココア」と共通している一方、カルシウムが510ミリグラムも入っているのが大きな特徴だ。

   11月23日付「マネーポストWEB」によると、今年7月にも「ミロ」が品薄となった。これは、「ミロ」を飲んだことで貧血の症状が和らいだというユーザーのツイートがきっかけだったという。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は、鉄が欠乏すると貧血や運動・認知機能の低下を招くとしている。

   平成30年「国民健康・栄養調査」(厚労省)によると、20〜29歳女性の1日あたりの平均鉄摂取量は6.5ミリグラム。「食事摂取基準」にあるように、18〜29歳女性(月経あり)の鉄の摂取推奨量が10.5ミリグラムだということを考えると、不足している人も多い。

   もしも鉄を重視するなら、3.8ミリグラムを含む「牛乳で飲むココア」や「セノビー」は選択肢としてあり得そうだ。

   フリマアプリ「メルカリ」では「ミロ」240グラムの2袋セットが1000円以上の価格で販売されるなど、転売が横行している。ネスレの通販サイトによると、販売休止中の同サイズは1袋240円(税込・送料別、以下同じ)だ。

   ツイッターでは「転売ヤーから『ミロ』を買うくらいなら『牛乳で飲むココア』を買おう」と呼びかける投稿が100回以上リツイートされている。ECサイト「ロハコ」を見ると、「牛乳で飲むココア」200グラムは1袋397円で、「セノビー」180グラムは1袋864円だ。不当な高値で転売品を買う必要はないだろう。

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