「進撃の巨人」ほぼ休みなしで完結 諫山創さん「11年7か月」果たし続けた責任

   「進撃の巨人」が、2021年4月9日発売の「別冊少年マガジン」5月号(講談社)で完結した。漫画家・諫山創さんが、09年10月号から11年7か月にわたり連載を続けてきた。

   長期間ほとんど「休載なし」で完結までたどり着いた事実に、驚嘆する読者は多い。長期連載を休まない秘訣は。

「進撃の巨人」完結(画像は「進撃の巨人」公式サイトより)
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「常に締め切り日が頭に」

   「進撃の巨人」が掲載されている別冊少年マガジンは月刊漫画雑誌のため、月1回の連載ペースだ。それを11年以上続けた。

   諫山さんは、2021年1月8日夜放送の「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS)で、「連載中の11年間は、仕事をしない日でも常に締め切り日が頭にあった」と苦労を明かしている。実際に締め切りギリギリに仕上がることもあったようだ。第119話が掲載された19年7月発売の「別冊マガジン8月号」巻末では、「今月は締め切り二日前の時点で残り21ページが未完成でした」とコメントしている。

   18年に「情熱大陸」に出演した際、連日徹夜し、漫画の設計図「ネーム」を仕上げるのに非常に苦労する場面があった。やる気が起きずに一旦寝るが、それでも翌日には一気にネームを描き上げた。時間に追われる中でも、毎回締め切りを守ってしっかり仕事をこなしていた。

   「進撃の巨人」は、人を食らう巨人と人間との戦いを描いたダークファンタジー漫画で、世界中にファンがいる。単行本は33巻まで刊行されており、世界累計発行部数は1億部を突破した。諫山さんのインタビューや対談からは、連載が続くにつれ、楽しみに待っている読者を裏切れない「責任感」がにじんでいる。

「こち亀」は40年間休載なし

   「進撃の巨人」よりもずっと長期間にわたり、休載なしで週刊連載を続けた作品がある。

   「こちら葛飾区亀有公園前派出所」だ。1976年から2016年までの40年間休載なしだった。

   19年11月25日付「ダイヤモンド・オンライン」の記事で、作者・秋本治さんが連載を続ける秘訣を述べていた。締め切りを厳守し、勤務時間は9時から19時ときっちり固定。作品のストックをつくってスケジュール管理するなど、タイムマネジメントを徹底していた様子が明かされている。管理を通して時間と心に余裕を作り、長い連載を成し遂げた。

   秋本さんは、「秋本治の仕事術 『こち亀』作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由」という本まで出版している。

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