「TSUTAYA」閉店あちこちで サブスク全盛時代にレンタルから次の一手へ

   CD、DVDのレンタルを行う「TSUTAYA」が、各地で閉店が相次いでいるとツイッター上に書き込みがある。

   最近は動画配信サービスやサブスクリプションが主流となり、わざわざレンタルショップに行く必要がなくなっているのは事実。TSUTAYAはどうなっていくのか、気になる。

閉店続く「TSUTAYA」の今後に注目 (2021年5月撮影)
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新宿、川崎、滋賀で

   TSUTAYAの閉店は公式には発表されていないが、主要紙では何度か報じられている。例えば、2017年10月17日付日本経済新聞(電子版)は、同紙の調べとして「今年3月以降に少なくとも43店が閉店し、10月も3店が閉店を予定している」と報道。同紙は翌18年12月17日付の記事でも、相次ぐTSUTAYAの閉店を悲しむ人々の声を取り上げている。

   東京では20年11月に「新宿TSUTAYA歌舞伎町DVDレンタル館」が閉店。豊富な品揃えで、25年にわたり人々から親しまれてきた有名店だっただけに、インターネット上でも話題になった。

   今年に入ってからも、TSUTAYAの閉店は続いている。川崎市中原区の東急東横線・新丸子駅の近くにあった店舗は3月に閉鎖。4月29日に百円ショップ「ダイソー」に衣替えした。記者が幼い頃、母親と毎週車で通っていた滋賀県にあるTSUTAYAも、5月に閉店してしまった。2021年6月1日に同店舗の前を通った地元の男性は、「ちょうど解体工事中だった」と寂し気に話した。

   TSUTAYA を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)蔦屋書店カンパニー広報室に、今年のTSUTAYAの閉店数について尋ねたが、非公表のため回答は得られなかった。ただ、「より顧客価値の高い店舗になるようにドミナント(一定地域への集中的な出店)再編やスクラップ&ビルドを行っておりますので、その一貫として一部の店舗を閉店している」と、閉店の事実については認めた。

数年前から「書店業」に注力

   CCCでは、新しい「ライフスタイルの提案」をミッションに掲げている。これに基づき、公共サービスや地域共生に関わる事業、インターネットサービスを企画している。レンタル事業のみにとらわれていないということだ。

   中でもとくに、数年前から「書店業」に注力しているという。現在、同社はレンタルショップのTSUTAYA以外にも「蔦屋書店」や、書店とカフェを融合した店なども展開しており、全国に合計約1100店舗あるとのこと。

   同社広報室は取材に対し、書店業については、

「(店舗全体での)2020年の書籍・雑誌販売額は1427億円と過去最高額を達成しました」

と説明。書店とカフェの融合を軸に、「コンテンツを複合的に展開する『ライフスタイル提案型』の店舗を2020年は全国に34店舗オープンいたしました」。また今後は中国を中心に、海外への出店も進めていくという。

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