銀座線・丸ノ内線の混雑状況アプリでわかる 東京メトロのサービスを実車して比較

   地下鉄の東京メトロは、「東京メトロmy!アプリ」というスマートフォン向けアプリで、銀座線と丸ノ内線の2路線について「号車ごとのリアルタイム混雑状況」を配信している。アプリは2020年8月にリリースされているが、リアルタイム混雑状況の配信は、21年7月14日にスタートした。

   車内の奥行きの情報を取得できる「デプスカメラ」で混雑状況を計測し、リアルタイムで電車の混み具合がわかるという。記者も丸ノ内線でこの配信を体験した。

「リアルタイム混雑状況」は銀座線・丸ノ内線を配信
8時18分に新宿駅に停車した車両の混雑状況 その後の混雑予測も表示
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4段階で混雑状況を表示

   アプリで丸の内線か銀座線を選択すると、各駅間を走行中の電車のアイコンが表示される。これをタップすることで、デプスカメラ設置駅で実測した混雑状況と、駅ごとの混雑予測情報を号車ごとに確認できる。

   混雑状況の表示は4段階。乗客のシルエットのようなマークの数で段階が表示される。マーク1つは「座席に座れる程度」、2つは「ゆったり立てる程度」、3つで「肩が触れ合う程度」、4つだと「かなり混み合っています」と説明されている。

   まずは7月16日、朝の通勤ラッシュ時間帯に試した。8時18分に新宿駅から池袋行きに乗る。記者は4号車に乗った。アプリを見ると、1号車と4号車は「肩が触れ合う程度」で、それ以外の号車は「ゆったり立てる程度」。乗車すると、4号車と隣の5号車で差があるようには見えず、どちらも肩が触れ合うほどに混雑している。

   8時21分に新宿三丁目駅に停車。全ての号車が「肩が触れ合う程度」の表示に切り替わった。乗っていて、実際の混み具合の通りだと感じた。

   四谷三丁目で一度降りて、今度は反対方向、荻窪行きの電車に8時30分に乗ることにした。アプリは、1・2号車の混雑レベルが「ゆったり立てる程度」、他は「座席に座れる程度」を示す。3号車を選んだ。

   乗車すると、確かに隣の2号車は立っている人も多く、車両全体が混み気味だ。一方、3号車と4号車は、車両の端から反対側の貫通扉(連結部分のドア)を見通せるほど立っている人は少ない。3号車では空いている席に座れた。ここではアプリに助けられた。

実際の混雑状況とは異なる場合あり

   次は昼間だ。12時56分に中野坂上駅から池袋行きの6号車に乗った。アプリでは、全号車の混雑度合いは「肩が触れ合う程度」。一方で、実際の6号車はゆったり立てるぐらい。たまたま空いていた座席にも座れた。朝にも「肩が触れ合う程度」と表示されることがあったが、その時に感じた実際の混み具合よりも、今回は大きく空いているように感じた。

   西新宿駅や四谷三丁目駅を通って、13時7分に四ツ谷駅で降りた。この時、5・6号車のみ「ゆったり立てる程度」、他の号車は「座席に座れる程度」の表示だが、外から見るに、立っている乗客の人数はどの号車もまばらで、いずれも同じぐらい空いているように感じた。

   最後は帰宅ラッシュ付近の時間帯。18時24分に、四ツ谷駅で荻窪行きの2号車に乗る。アプリの混雑表示は全号車「ゆったり立てる程度」。周りを見ると、肩が何とか触れ合わない程度の混み具合で乗客らが立っている。「ゆったり立てる」というほど余裕があるようには思えなかった。

   四谷三丁目と新宿御苑前を通って、18時30分に新宿三丁目で停車。降りる乗客が多く、車内は空いた印象に。だが混雑表示は変わらず、全号車が「ゆったり立てる程度」だ。そのまま全号車「ゆったり〜」の表示が、降りるまで続いた。

   混雑表示の度合いが同じでも、タイミングによって実際の混雑度合いに差が出たり、混雑表示の異なる車両と他の車両の実際の混み具合に大した違いがないように感じられることが多かった。アプリ内でも、「実際の混雑状況とは異なる場合が」あるとしている。一方、8時30分の四谷三丁目駅のケースのように、アプリのおかげで空いている車両を選べた事例もあった。

   なお、東京メトロの発表によると、2021年内をめどに、丸ノ内線や銀座線以外でもリアルタイム混雑状況の配信を目指す。

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